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  1. 埼玉県議会 1996-12-01
    12月11日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成 8年 12月 定例会十二月定例会 第八日(十二月十一日)平成八年十二月十一日(水曜日)第八日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    三十九番  田中暄二議員     十二番  畠山清彦議員    二十四番  吉田 弘議員 三 次会日程報告    十二月十二日(木) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員   八十八名       二番  尾花正明議員       六番  井上 久議員       七番  鹿川文夫議員       八番  白石孝一議員       九番  清水寿郎議員       十番  中村正義議員      十一番  近藤善則議員      十二番  畠山清彦議員      十三番  福永信之議員      十四番  武正公一議員      十五番  渡辺千代子議員      十六番  宮澤 博議員      十七番  新井家光議員      十八番  関口昌一議員      十九番  岡村 粲議員      二十番  小宮山泰子議員     二十一番  田中龍夫議員     二十二番  斎藤正明議員     二十三番  竹内弘文議員     二十四番  吉田 弘議員     二十五番  奥ノ木信夫議員     二十六番  長峯正之議員     二十七番  浦野 清議員     二十八番  井上正則議員     二十九番  竹並万吉議員      三十番  山根隆治議員     三十二番  黒田重晴議員     三十三番  吉田 健議員     三十四番  福野幸央議員     三十五番  石渡 勲議員     三十六番  滝瀬副次議員     三十七番  井上直子議員     三十八番  蓮見昭一議員     三十九番  田中暄二議員      四十番  武笠 勇議員     四十一番  富岡 清議員     四十二番  舩津徳英議員     四十三番  長沼 威議員     四十四番  秋元安紀議員     四十六番  佐藤征治郎議員     四十七番  藤野泰弘議員     四十八番  田島敏包議員      五十番  古寺五一議員     五十一番  沢辺瀞壱議員     五十二番  細田米蔵議員     五十三番  奥田昌利議員     五十四番  岡村幸四郎議員     五十五番  山岡 孝議員     五十六番  葛生惠二議員     五十七番  神保国男議員     五十八番  大沢立承議員     五十九番  松本安弘議員      六十番  高橋幸寿議員     六十一番  笠原英俊議員     六十二番  岡 真智子議員     六十三番  柳下礼子議員     六十四番  堀江英一議員     六十五番  福永 剛議員     六十六番  遠藤俊作議員     六十七番  福岡友次郎議員     六十八番  秋谷昭治議員     六十九番  並木利志和議員      七十番  穂坂邦夫議員     七十一番  浅古 登議員     七十二番  利根田康年議員     七十三番  神谷裕之議員     七十四番  渡辺利昭議員     七十五番  青木俊文議員     七十六番  熊野 巌議員     七十七番  秦 哲美議員     七十八番  森戸由祐議員     七十九番  山岸昭子議員      八十番  谷古宇勘司議員     八十一番  大石忠之議員     八十二番  福田 実議員     八十三番  金子圭典議員     八十四番  深井 明議員     八十五番  宮崎守保議員     八十六番  秋山 清議員     八十七番  栗原 稔議員     八十八番  本木欣一議員     八十九番  堀口真平議員      九十番  野本陽一議員     九十一番  西村 暁議員     九十二番  和田清志議員     九十三番  藤井俊男議員     九十四番  高橋正平議員     九十五番  吉野良司議員  欠席議員   三名     三十一番  松下 裕議員     四十五番  野木 実議員     四十九番  丸木清浩議員地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   土屋義彦   知事   中川浩明   副知事   坂東眞理子  副知事   西島昭三   出納長   梅村 馨   企画財政部長   武田茂夫   総務部長   川田哲也   県民部長   島野實郎   環境部長   野沢通泰   生活福祉部長   土居 眞   衛生部長   小川登美夫  商工部長   古橋光弘   農林部長   江田元之   労働部長   喜多河信介  土木部長   三澤邁策   住宅都市部長   上村知敏   公営企業管理者   荒井 桂   教育長   服部範雄   警察本部長             発言(質問)通告書  十二月十一日(水)議席番号 氏名      要旨 答弁者三十九番 田中暄二議員  1 彩福祉グループによる贈収賄事件について 知事             2 市町村合併について 知事             3 行政改革について 知事             4 定住外国人の地方参政権について 知事             5 教育問題について 教育長              (1) 高等学校への入学者選抜方法について              (2) 高等学校における普通科のコースについて              (3) 金属バット長男殴殺事件について             6 彩の国いきがい大学と市町村の高齢者大学との連携について 生活福祉部長             7 看護職員の研修について 衛生部長             8 地元問題について              (1) 都市計画道路西停車場線について 住宅都市部長              (2) 県道幸手久喜線の喜橋の架換えについて 土木部長              (3) 地元農産物の販売・加工開発について 農林部長 十二番 畠山清彦議員  1 教育立県・埼玉を目指して              (1) 理想の教師像は 知事              (2) 教師の質の向上について 教育長              (3) 校長の責任感の向上と権限の発揮について 〃              (4) 自然環境学習について 知事              (5) 彩の国県民総合大学(仮称)について 〃             2 彩福祉グループの不正事件について 生活副支部長 坂東副知事             3 子どもの権利に関する条約について 教育長             4 痴呆性高齢者・知的障害者の権利擁護機関の設置について 生活福祉部長             5 特定フロンの回収に関する条例の制定について 環境部長             6 技能五輪全国大会の本県開催について 労働部長             7 県民本位の行政について              (1) 県営住宅の入居手続について 住宅都市部長              (2) 乳幼児医療費の窓口払い廃止の前段階としての手続の簡素化について 生活福祉部長              (3) 県民情報誌の発刊について 県民部長              (4) 国有水路敷の使用許可について 土木部長             8 中央図書館(仮称)構想について 教育長             9 地元問題について              (1) 大宮駅への地下鉄延伸について 企画財政部長              (2) 治水橋付近の自転車・歩行者道付替えについて 土木部長二十四番 吉田 弘議員  1 政令指定都市問題について 知事             2 特別養護老人ホームにまつわる不祥事について 坂東副知事             3 大規模災害時の医療体制について 衛生部長             4 子育て支援策について 生活福祉部長             5 教育問題について 教育長              (1) 日本人としての自覚が持てる教育について              (2) 中・高校生たちの部活動、スポーツの在り方について             6 これからの公共交通の在り方について 企画財政部長               -さいたま新都心地域へのLRTの導入について-             7 環境空間と緑の回廊構想について 住宅都市部長             8 鴻沼川の抜本的改修について 土木部長          ----------------午前十時二十分開議  出席議員   八十六名   二番   六番   七番   八番   九番   十一番  十二番  十三番   十四番  十六番  十七番  十八番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十七番 二十八番 二十九番 三十番   三十二番 三十三番 三十四番 三十五番   三十六番 三十七番 三十八番 三十九番   四十番  四十一番 四十二番 四十三番   四十四番 四十六番 四十七番 四十八番   五十番  五十一番 五十二番 五十三番   五十四番 五十五番 五十六番 五十七番   五十八番 五十九番 六十番  六十一番   六十二番 六十三番 六十四番 六十五番   六十六番 六十七番 六十八番 六十九番   七十番  七十一番 七十二番 七十三番   七十四番 七十五番 七十六番 七十七番   七十八番 七十九番 八十番  八十一番   八十二番 八十三番 八十四番 八十五番   八十六番 八十七番 八十八番 八十九番   九十番  九十一番 九十二番 九十三番   九十四番 九十五番  欠席議員   五名   十番   十五番  三十一番 四十五番   四十九番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(中川) 副知事(坂東)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     警察本部長 △開議の宣告 ○浅古登議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○浅古登議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 三十九番 田中暄二議員        〔三十九番 田中暄二議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十九番(田中暄二議員) おはようございます。 三十九番 自由民主党 田中暄二でございます。通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 初めに、彩福祉グループによる贈収賄事件についてお伺いいたします。 彩福祉グループによる埼玉県を舞台にした贈収賄事件は、今までのそれと異なり、厚生省幹部をも含んだ国の役人が中心となって行ったこと、並びに福祉行政にかかわる事件であることから、埼玉県はもとより、全国的な関心事となっております。本事件発覚後、知事は直ちに庁内に社会福祉法人認可等事務適正化対策委員会を発足させるなど、事件の原因究明、再発防止に全力で取り組んでおられます。 昨日は、今回の不祥事件に関して、特定の業者から会食、ゴルフの接待を受けたとして、あるいは贈答品を受け取ったとして、監督責任を含め十三名の職員の処分を行ったところであります。しかし、今回の事件は福祉行政にかかわることからして、県民の埼玉県に対する信頼を著しく失墜させました。このことは、単に今後の福祉行政だけにとどまらず、県民の埼玉県行政全般にかかわる理解、協力にも影響を及ぼすのではないかと危ぐするものであります。そこで、土屋知事の本事件の解明に向けて、そして県民の県への信頼回復に向けての堅い決意をまず伺いたいと存じます。 次に、財団法人埼玉県シルバーサービス情報公社の今後の在り方につき、知事にお尋ねをいたします。 当該公社は、高齢者福祉の増進と新しい高齢者の文化の創造に寄与することを目的に、昭和六十二年十月に県と民間とが共同した第三セクターとして設立されたものでございます。 設立以来、理事長には知事が就任するとともに、県のOBあるいは県職員や大企業からの職員の派遣により事業拡充が図られ、今後の更なる発展が期待されていたところであります。しかし、今回発覚した彩福祉グループの贈収賄事件の原因究明をしていく中で、シルバーサービス情報公社に茶谷容疑者の指示により、あけぼのの建設を正当化するかのごとく、大都市近郊型福祉まちづくり検討委員会が設置され、当該公社がいわば不正の隠れみのに利用されたり、高額な会費を徴収していながら、ほとんど活動していない福祉施設建設運営研究会の設置などが明らかにされました。しかも、これらの委員会や研究会の設置については、理事長である知事には事前に全く知らされていなかったとのことであります。かかる公社にとって重大なプロジェクトを独断で進めた茶谷容疑者の責任は極めて重いと言わざるを得ません。 そこで、この際理事長である知事として、今後のシルバーサービス情報公社の存続を含め見直すべきと考えますが、率直な知事の御意見を伺いたいと存じます。 次に、市町村合併につきお尋ねをいたします。 近年、都市化の進展や交通、通信、情報などの発達に伴い、人々の日常生活圏は自治体の区域を越えて更に広がっております。このような状況下、全国的に市町村合併の機運が盛り上がっていると言われております。本県においては、浦和、大宮、与野、もしくはこの三市に上尾市、伊奈町を加えた四市一町による政令指定都市構想が中心的な論議の中で市町村合併が論じられております。しかし、私は、政令指定都市構想と並行して、同時にその他の県内市町村の合併が論議されてしかるべきと存じます。このような視点から多少持論を交えまして、土屋知事に御所見を伺います。 さて、人口規模別に本県の九十二市町村を分類いたしますと、人口四十万人以上の市が三市、三十万人台が二市、二十万人台が四市、十万人台が八市、十万人未満五万人以上が二十六市、五万人未満が三十八町十一村であります。また、財政規模を平成八年度普通会計当初予算ベースで分類いたしますと、次のとおりであります。すなわち、一千億円以上三市、五百億円以上四市、三百億円以上七市、百億円以上二十九市四町、百億円以下の町、村は三十四町十一村でございます。すなわち、九十二市町村のうち約半数の自治体が当初予算ベースで百億円以下ということになります。ところで私は、埼玉県東北部の拠点都市久喜市に住んでおりますが、つい先日、私の自宅から車で県議会にまいりました。全行程三十三・五キロ、一時間十五分かかりました。すなわち、自宅久喜市を出てから、白岡町、蓮田市、上尾市、大宮市、与野市、そして浦和市に入りました。全行程三十三・五キロのうち六市一町の行政区を通過してまいったわけであります。平均して五キロ弱を走りますと、別の行政区に入るということになります。 ところで、全国の市の平均面積は百五十七平方キロメートルであります。一方、我が埼玉県の平均の面積は四十四平方キロ、全国の市の平均面積に比べて約四分の一でございます。また、同様に町村の平均面積は、全国では百四平方キロ、また、埼玉県の町村の平均面積は三十九平方キロでございます。 このように、あまりにも最近の県民の拡大する日常生活圏と比較して、あるいは、ただ今申し上げました全国の平均の数値と比較いたしまして、我が埼玉県の行政面積は小さ過ぎはしないかと思います。このように小さな財政規模、小さな行政面積の中で、その地域、地域の独自性を持てと言われても、所詮、限界があるような気がしてなりません。 一方、各自治体の首長さんは、例えば、体育館やプールや運動場や文化会館等を競ってつくる、つくらなければ自分が選挙に負けてしまうからであります。結果、どこにでもあるような、ごく普通の当たり前の体育館やプールや運動場や文化会館が行政単位ごとにできると、このようなことになります。私は、国体が開催できるような公式体育館は地域に一つあればよいと思います。それより、むしろ普段着で自転車で出かけて、例えば、ママさんバレーボールがすぐできるようなミニ体育館が身近にたくさんあったほうがよいと思います。二千人収容規模の文化会館が車で十分も走れば幾つもあるというような状況よりも、自転車で、あるいは歩いていける、集会場ようなものがたくさんあったほうがよいと思います。現状の小さな行政面積では、行政の効率的な運用から考えたときに、無駄がどうしても出てしまいます。もっとも、最近このような実情にかんがみ、自治体間においてそれぞれの施設を相互利用するような動きが出てきております。しかし、更に一歩進んで、市町村の合併に向けて論議すべきと存じます。 一方、埼玉県の行政境は関東平野に位置することもありまして、だれが見ても分かるような大きな川や山によって行政境がはっきり分けられているという例が少ないと言われています。先ほど、私が県庁へ来るまで六市一町を通過したと申し上げましたけれども、いつ白岡町に入って蓮田市に入ったのか、また、どこで与野市から浦和市に入ったのか、よく分からなかったほどであります。つまり、歌に歌われるような「兎追いし かの山」も「こぶなつりし かの川」を持つ市町村が少ないということになります。 このようなことから、一般的に埼玉県の人々はその地域地域に、言い換えれば、限定された地域社会で生活しているという意識が他の県の人々に比較して少ないと言われております。さきの衆議院議員選挙において、埼玉県の投票率が全国一低かったのも、このような事実が一つの要因であるような、そんな気がしてなりません。また、すなわち、地域に住んでいると意識、言い換えれば、地域への愛着性が他の県の人々に比べて少ないということになりましょう。逆に言えば、市町村の合併時にありがちな、慣れ親しんだ地名が消えてしまうことへの寂しさ、郷愁が他の県の人々に比べて少ないと一般的に言われており、このことが埼玉県における市町村合併はやりやすいのではないかという意見にもつながっております。 知事は、市町村合併については、そこの地域に住む人々の意識が大切であると度々答弁してまいりました。もとより、地域に住む人々の意向を無視しての市町村の合併は有り得ませんが、当事者間だけでの自主的な解決もまた難しいのも事実であります。市町村の繁栄なくして国や県の発展なしとの信念を持つ土屋知事、全国知事会の会長に就任された土屋知事、高齢者福祉の充実や生活基盤の整備など、市町村自体の行財政基盤の充実強化が叫ばれている今日、広域連合制度の活用なども重要でありますが、平成七年四月より市町村の合併の特例に関する法律が改正されたことでもあり、一歩踏み込んで、埼玉県の市町村合併を県として積極的に推進すべき時期に来ていると存じますが、土屋知事の御所見を承りたいと存じます。 行政改革につきお尋ねいたします。 橋本首相は先般、首相直属の行政改革会議を設置し、中央省庁再編など行政改革全般に取り組む姿勢を明確にしております。ところで行革と言うと、中央省庁の再編イコール大蔵省の解体といった短絡的な理論に陥りかねません。私は、現行行革のポイントは政策システムの再構築にあると思います。新たな政策システムの確立に当たっては、大蔵省解体論といった権力をめぐるパワーゲーム的発想に偏ることなく、政策形成プロセスを機能的に議論し、新しい政策システムの在り方を考えることが肝要であると考えます。 このことは、国だけにとどまらず、地方においても同じことが言えるかと存じます。今、地方分権時代に向けて複雑多様化、高度化する県民のニーズに対応するため、総合的な政策形成機能を強化し、当面する重要課題につき機能的な対応を図ることがますます求められてきております。このような点を考えますと、このたびの県組織改正は誠に時宜を得たものと考えます。このたび、土屋知事は全国知事会の会長に就任されました。言ってみれば、地方の総理として、今後、地方分権の推進に更に取り組んでいかれるわけであります。 そこでお尋ねをいたします。今回の組織改正のポイントは、何といっても、総合政策部の設置と思われますが、この設置につき基本的考え方、狙いはいかなるものか、御所見をお伺いしたいと存じます。 次に、定住外国人の地方参政権につきお尋ねをいたします。 新聞報道によれば、東京都は現在、参政権が認められていない定住外国人の地方参政権を認めるよう、来年の夏をめどに国にそのための法改正を求めていくことを決めたとのことであります。東京都は従来、定住外国人の参政権につき国に検討を求めてきており、今回の決定は一歩踏み込んだかたちで国へ法改正を要求していくとのことであります。 一方、本県における本年六年末日現在の外国人登録者数は、百三十二か国、六万六千五百二十一人に達しています。この方たちは、日本国籍を有する住民と変わることなく納税義務を果たし、地方公共団体から各種サービスを受けているとの現実があります。この問題について、最高裁は、昨年二月、在日韓国人が参政権を求めた訴えを棄却したものの、永住者などに選挙権を与えることは憲法でも禁じられていないとの判断を示しております。定住外国人への地方参政権の付与については、国際化が進展する中、時代のすう勢として認めていくべきとの意見がある一方で、地方参政権とはいえ、国家の統治にかかる問題であり、いわゆる相互主義の原則との兼ね合いもあり、我が国だけが一方的に阻止するのは早計ではないかとの様々な議論があります。 現在、主要国における在住外国人に対する選挙権、被選挙権の付与状況を見ても、国政レベルにおいての選挙権、被選挙権はもとより、地方レベルにおいてさへ、ほとんど例外的に、ごくわずかな国において、しかも条件付きで選挙権、被選挙権の付与が許されているという状況であります。このように定住外国人への地方参政権については、なかなか難しい問題ではありますが、今回、東京都が国に対し法改正まで踏み込んだ要望を提出することを決定したことにつき、知事の御感想、そして、今後本県の定住外国人の地方参政権につきどのように進めていくか、御所見を承りたいと存じます。 次に、教育問題につきお尋ねをいたします。 まず、高等学校の入学者選抜方法につきお尋ねをいたします。 高校入学者の選抜については、調査書の記載内容、特に、学習の合計と学力検査の結果が重要な選抜の材料となっているところでございます。まず、調査書の学習の合計につきお尋ねをいたします。 一つの高校に少なくとも三十校、多い高校では百校前後の中学校から志願者が集まってくると思われますが、これら中学校間の学力の較差は、厳然たる事実として考えたとき大きいものがあると考えます。例えば、学習の合計が同じ六十点であっても、最高水準の中学校の受験生と、言葉は適当ではありませんが、最低水準の中学校の受験生とでは、事実上その学力較差は大きいはずであります。現在の各高校における入学者選抜の際、この事実上存在する学校別学力較差はどのように取り扱っているのか、学力較差を全く考慮していないとするならば、結果として学力水準の高い中学校の受験生が不利となり、公平を欠くものとなります。現実にはこの学校別学力較差が存在し、不平等な入学者選抜が実施されているという指摘があります。 そこで教育長にお尋ねいたします。県内各中学校において学力較差があると考えるかどうか、指摘されている学力較差を考慮した入学者選抜方法の是正を行う用意があるかどうか、お尋ねをいたします。 次に、新しい選抜方法につきお尋ねをいたします。 高等学校の入学者選抜について、現在、推薦入試及び一般入試とがあります。推薦入試については、調査書と面接、一般入試については、調査書、学力検査の成績及び面接が主要な選抜のための資料と伺っています。入学者の選抜において、特にスポーツで活躍した者、特定の技能に優れている者、また、生徒会等で活躍された者は高く評価されるのが通例と伺っています。しかしながら、スポーツや生徒会でも特に活躍することもない、また、特出すべき技能を有しない者であっても、学業に秀でた中学生がいるはずであります。これも学業に対する努力の結果であることからして、選抜時に高く評価されるべきであろうと思います。 そこでお尋ねをいたします。現行の入試選抜方法を見直すお考えはあるか、例えば、調査書を用いない選抜方法を現制度に追加するのも一つの方法かと存じますが、いかがでしょうか。具体的な答弁をお尋ねをしたいと思います。 次に、高等学校における普通科のコースにつきお尋ねをいたします。十一月一日の新聞報道によれば、中学生の進学希望調査につき、県下三十六校、三十七のコースにおいて、そのすべてが競争率が一・〇倍に満たない定員割れを起こしております。競争率が〇・五倍以上となったものは、わずか十二コースであり、〇・一倍にも満たないものが七コースもあります。かつて本議会において、多数の高校における定員割れが問題として取り上げられました。その際、各高校の特色が中学生、保護者に十分伝わっていない旨の答弁があったと記憶をしております。しかし、普通科における学科再編と、今、私が問題としていますコース設置については、平成元年度から始まったものであります。したがって、既に八年が経過をしており、コースに対する中学生、保護者の理解は十分ではないということは考えにくいと思われます。コースに対する教育委員会の見解としては、目的意識の高い生徒が入学し、併せて、教育内容や指導方法の改善が進むなど着実に成果を挙げているとのことでありますけれども、しかし、そうであるとするならば、定員割れの状況はなぜ何年も続くのか、生徒、保護者にとって真の魅力あるコース設置になっていないのではないか、そのように思います。 ちなみに、看護・福祉の分野は、高齢者社会の移行に伴い社会的ニーズが一層高まるものであり、現に中学生の進学希望調査を見ても、競争率が二・〇倍を超えております。定員割れを起こしている普通科コースにつき、具体的な改善策をお伺いしたいと存じます。 次に、金属バット長男殴殺事件につきお尋ねをいたします。 またまた悲しいやりきれない事件が起こりました。先月六日朝、東京都文京区において、不登校の我が子を立ち直らせようと懸命の努力を重ねた父親が疲れ果て、中学三年の長男を金属バットで殴り殺したものであります。これと同様の事件は、かつて我が埼玉県でもあり、いまだショッキングな事件として記憶にとどまっております。新聞報道によりますと、長男の家庭内暴力が目立ち始めたのは昨年の夏休みごろから、暴力はまず母親に向けられたとのことであります。両親は学校やカウンセラーに何度も足を運び相談をしたとのことであります。父親は、朝起きられないと学校に行くことをしぶる長男に、起きられたときでよいから、また、クラブ活動のバスケットボールだけでもやりに学校へ行ったらどうかなどと言い、また、時には一緒に学校でバスケットをしたり、長男が好きなギターを一緒に学んだり、でき得る限り親子の対話を増やす懸命の努力を続けていたようでありますが、これらの地道な努力が実り、長男も時には学校へ登校し授業にも出席するようになり、クラブ活動にも参加するようになったようですが、本年六月ごろより再び暴力がエスカレートし、絶望的な気持ちに陥った父親が、今回の事件を引き起し、最悪の結末になったものであります。 平和な家庭を取り戻そうと全力を挙げて懸命の努力を続けた父親、一日も早く我が子を普通の生徒にしたいと必死の努力をし続けた父親、その陰にどんな苦しみ、悩みがあったことか、私は、今回の事件の報道に接し、ぶつけることのできない憤りと深い悲しみから、涙をこらえることができませんでした。子を思う親の心は皆同じであります。子を思う親の心はひらすら純粋であります。私が父親の立場に置かれたら、一体何ができただろうか、父親と同じ行動を絶対とらないと果たして言い切れるだろうか、そんな自問自答を繰り返しております。 そこでお尋ねいたします。県内の家庭内暴力の数はどのように推移をしているのか、また、家庭内暴力の質的・内容的な傾向に変化はあるのか、家庭内暴力を教育長はどのように認識しているのか。そして最後に、家庭内暴力根絶のための方策は何かあるのか。最後は、これは質問でなく、是非、教育長に教えていただきたい、そんな気持ちでお話をさせていただきました。 次に、彩の国生きがい大学と市町村の高齢者大学との連携につきお尋ねをいたします。 私の地元である久喜市においては、高齢者の様々なニーズにこたえるべく四年生課程の高齢者大学を設置し、年間二十日間の充実した学習活動を行っております。また、それぞれの趣味を中心とした課外活動も、とても盛んに行われております。 ところで、県では彩の国生きがい大学を設置し、一年生課程及び二年生課程の学習を行うとともに、自治会活動やクラブ活動を通じて、地域活動のリーダーづくりを行っているところであります。私は、高齢者の一般教養などの生きがい学習については、市町村に設けられている高齢者大学がこれを担当し、県の生きがい大学は比較的専門的な講座を開設し、高齢者の高度の学習意欲にこたえるなど、県と市町村との役割分担を明確にしながら、連携を取りつつ高齢者の学習のネットワークを全県に広めていくべきと考えます。 そこで、まず、彩の国生きがい大学の運営状況及び高齢者大学の市町村における実施状況はどのようになっているか。次に、高齢者の学習ニーズに対応した県の生きがい大学と、市町村の高齢者大学との連携の在り方につき、生活福祉部長にお尋ねをいたします。 次に、看護職員の研修につきお尋ねをいたします。 病気を治療するということは、病院や診療所に入院したり通院したりして、医者にかかって治すものという認識が一般的であります。しかし、今日では、かなり高度な治療が患者の年齢を問わず、自宅で器具等を利用して実施されていることを伺い、なるほどと感心をいたしました。私の知人も、訪問看護ステーションの看護婦さんに自宅まで定期的に訪問してもらい、必要に応じ薬まで届けてもらっているとのことであります。楽な気持ちで自宅で治療を受けられるので、大変便利で有り難いと話しておられました。 ところで、本県は沖縄県に次ぐ全国で二番目に若い県でありますが、その分、高齢化が一気に進行すると言われております。そうなれば、在宅で治療を受ける方が増加することは十分予測され、今後、これに対する施策の検討が県にとり大きな課題になると考えます。 特に、医師の指示を受けて看護を行うことになっている看護婦さんは、訪問看護の場合、単独で直接患者さんに接することになり、今までのような病院における看護より更に責任は重く、また、その求められる資質も違ってくると考えられます。さらに、一層の医学の進歩や治療方法の改善等も見込まれ、常に新しい知識、技術を習得して看護の質の向上を図ることが必要となってくると思われます。 本県では、平成十一年を目途に待望の看護福祉大学が開校をいたします。そこで私は、この大学の中に在宅看護など新しい分野の看護を中心とした研修機能を持たせ、看護婦さんの研修の充実を図り、二十一世紀に向けて本県の医療の充実を図るべきと考えますが、衛生部長の見解を求めます。 最後に、地元問題につき三点お伺いをいたします。 初めに、都市計画道路西停車場線につきお尋ねをいたします。 本路線につきましては、西口駅前から都市計画道路前谷五領線まで、県の多大な御協力により、西口駅前広場の整備に併せて平成五年度に開通をいたしました。さらに、都市計画道路前谷五領線から県道大宮栗橋線までの区間について、引き続き県において事業を行っているところでありますが、早期完成、早期開通を市民挙げて望んでおります。そこで、現在の進ちょく状況及び全面開通の見通しにつき、住宅都市部長にお尋ねをいたします。 次に、県道幸手久喜線の喜橋の架換えにつきお尋ねをいたします。 本県道の喜橋については、道路幅員が狭いため、その危険性が従来より指摘されております。また歩行者、自転車のための側道橋を臨時的に設けておりますが、下流側に離れて設置されており、しかもその取付部がクランク状になっているため通行しずらい実情であります。現在、この喜橋のすぐ近くに久喜市総合福祉センターが建設中であり、完成後は、更に車両、歩行者、自転車による通行の増加が見込まれることから、早期の喜橋の架換え整備が求められております。本事業につき、現状と今後の見通しを土木部長にお尋ねをいたします。 最後に、地元農産物の販売・加工開発につきお尋ねをいたします。 我が久喜市においては、梨が特産品であり、おいしい久喜の梨ということで、県下はもとより全国的に有名でありますが、数年前より県の助成をいただき、梨ワインの開発に成功し、市内外から好評をいただいております。また、昨年は、市内、市街地にある大手スーパー内に地元久喜市で生産された農産物を販売する直売所を設置する件につきましても県の助成をいただき、現在、米、イチゴ、梨等、地元特産品直売所として市民の皆様に喜ばれております。このように農業者自らが地元の農産物を販売する、あるいは農産物を加工開発して販売するということは、農業者の所得確保はもちろんでありますが、都市近郊農業として、市民の皆様に農業を理解していただくことにもつながることになり、都市部にある農業の新しい在り方の一つと考えます。 そこで、地元久喜市では、今後、特産の梨、イチゴを利用したシャーベットの開発・販売に取り組みたいとしておりますが、これらの加工施設の整備も含め、地元特産物の販売やその加工開発につき、県として積極的に取り組むべきと考えますが、農林部長の御所見を伺いたいと存じます。 以上であります。ありがとうございました。(拍手起こる) ○浅古登議長 三十九番 田中暄二議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 田中暄二議員の私に対する御質問に順次お答えを申し上げます。 まずもって、本日は、田中暄二議員を支持されております県民の皆様方が大勢お見えになっておりますが、今回のような県民にとって大変不幸な事件が起きましたことは、誠に申し訳なく深くおわびを申し上げます。 さて、彩福祉グループによる贈収賄事件についてのお尋ねのうち、本事件の解明と県民の県への信頼回復に向けての決意についてでございますが、私は、知事就任以来、高齢者福祉の増進を県政運営の重要課題に位置付けまして、彩の国ゴールドプランの推進に全力で取り組んでまいったところでございます。それだけに今回の事件は、これまでに福祉行政が築き上げてきた県民の方々との信頼を根底から揺るがすものでございまして、誠に残念でなりません。 県政をあずかる者として、失われましたこの信頼を回復するためには、何といっても、今回の事件を徹底的に究明し、二度とこのような事件が起こらぬように、再発防止に積極的に取り組むことが必要であると考えております。このため、十一月二十二日、生活福祉部に社会福祉法人認可等事務適正化対策委員会を設置いたしました。と併せて、調査と改善策の検討を命じ、十二月九日には、四十二名の職員からなる専従班を編成しました。事件の究明と法人の立直しに向けまして、万全の体制を整備したところでございます。 また、全庁的に、今回のような事件の再発防止のために、事件の発覚後に綱紀保持委員会を開催させ、対応策を検討させるとともに、全職場に綱紀粛清の通達を発しまして、公務員倫理の職場研修の実施により、公務員の服務規律の確保を図ることとしたところでございます。今回の事件を単に福祉の分野の特別な問題とせず、全庁的に補助金の適正な執行とチェック体制の整備を図るとともに、一刻も早く今回の事件の全容を解明し、県民の信頼が回復されますよう全力を尽くしてまいる所存でございます。 次に、財団法人埼玉県シルバーサービス情報公社の今後の在り方についてでございますが、このたび、私が理事長を務める財団法人埼玉県シルバーサービス情報公社が、茶谷容疑者の強い要請により、私への報告がないまま大都市近郊型福祉まちづくり検討委員会福祉施設建設運営研究会を設置し、アクティビティセンター設置の方向付けや多額の会費を徴収していましたことにつきましては、たとえ報告を受けておらなかったとはいえ、理事長としての責任を痛感しております。また、このことで、財団法人埼玉県シルバーサービス情報公社が県民や会員の皆様方に不信感を抱かせてしまいましたことは、取り返しのつかない事実でございまして、私は誠にもって残念でなりません。 この上は、なぜこのような問題を引き起こしたのか、全力を挙げて解明いたしますことはもちろん、会員の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、行政改革の観点から、県の外郭団体というのは相当数ございますので、改めて見直し、当シルバーサービス情報公社も、その一環として見直しを徹底的に行い、県民の信頼の回復に努めてまいる所存でございますので、どうぞ、御理解を賜りたいと存じます。 次に、市町村合併についてのお尋ねでございますが、私は、知事就任以来、政治の原点は地方自治にある、市町村が豊かにならなければ県や国の繁栄はあり得ないとの政治信条に基づきまして、くにづくり総合助成制度の創設など市町村重視の県政を推進してまいりました。 田中議員御指摘のとおり、近年、都市化の進展や交通・通信などの発達に伴いまして、県民の日常生活圏は自治体の区域を大きく越えて広がってまいっております。また、埼玉県の市町村の現状を見ますと、議員御指摘のとおり、全国平均と比べますと狭小であり、限られた財源で効率的な地域整備を推進するためには、広域行政の推進と並んで、市町村合併を推進することは重要なことであると私も考えております。 さらに、地方分権の推進の観点からも、市町村の自主的な合併により、地域づくりの主体であります市町村の行財政能力が更に強化されていくことは大変望ましいものと考えております。そこで、現在策定を進めておりまする埼玉県長期ビジョンの中に、地域地域の実情を考慮した市町村合併の推進を位置付けたところでございます。 今後とも、引き続き関係市町村や住民の方々がその意義や効果を十分に理解された上で、自主的な市町村の合併の推進が図られますよう、研修会や講演会の実施やパンフレットの配布などに必要な助言や情報の提供に鋭意努めてまいりたいと存じます。 次に、行政改革についてのお尋ねでございますが、私は、行政改革は避けて通れない国民的課題であり、地方公共団体にとりましても、緊急かつ重要な課題であると考えております。このため、二期目のスタートに当たり、本年七月には行財政の抜本的な改革に取り組む決意を発表いたしたところでございます。 先日も、全国知事会会長に就任いたしましたあいさつのため、橋本総理大臣をはじめ要人の方々と会談いたしました際に、特に総理から地方自治体の行政改革に協力をしてほしいとの要請がございましたが、これに対しまして、私の行政改革の第一歩である、このたびの組織改正についての説明をし、行政改革の推進に向けての強い決意を申し上げた次第でございます。 今回の組織改正の目的は、少子・高齢社会の到来、情報化や国際化の進展など、社会、経済の変化に的確に対応し、個性豊かで活力に満ちた分権型社会の実現を図るため、県の組織の簡素・効率化を図りながら、行政需要の変化に弾力的、機動的に対応していこうとするものでございます。 特に、総合政策部は、地方分権の時代に向けて政策主導型県政への転換を図ろうとするものでございまして、県自らの責任において政策を決定し、処理しうる能力の向上を図るとともに、多様化、複雑化、あるいはまた高度化する県民ニーズに対応し、市町村と連携共同しながら、迅速かつ柔軟に政策を展開しようとするものでございます。 さらに、文化、国際化など、新たな行政にかかわる政策の強化を図るとともに、政策部門と人事管理部門とがより連携を強化いたしまして、政策の担い手としての人材を育成しようとするものでございます。今後とも全国のモデルとなるような県政を簡素で効率的な組織のもとで着実に展開し、豊かな彩の国づくりの実現に積極的、果敢に取り組んでまいる所存でございます。 最後に、定住外国人の地方参政権についてのお尋ねでございますが、この問題につきましては、田中議員ご指摘のとおり、積極的な立場や否定的な立場から様々な議論がございますとともに、国の立法政策にかかわる事柄でもございます。私も大変難しい問題であると考えております。 さきに東京都が定住外国人につきまして、地方公共団体の長及び議会議員の選挙権を認める方向で関係法の改正を国に求めていくとの方針を定めたとのことでございますが、国際化の潮流をいち早くとらえ、全国に先駆けて新しい提案をされたものと理解しておるところでございまして、その御努力に対しまして深く敬意を表したいと思います。 定住外国人に地方参政権を付与することにつきましては、国政レベルにおける活発な議論を期待するとともに、県民各層においても十分議論を尽くされますことを心から期待いたします。国際化が進展する中で、私といたしましても、現在策定を進めております埼玉県長期ビジョンにおいて、世界に開かれた交流社会づくりの一環として、外国人とともに生きる社会づくりを積極的に進めることとしておりまして、定住外国人の方々については、地方参政権を含めて、その行政参画の在り方についても十分研究しなければならないものと考えておる次第でございます。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問五、教育問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一) 高等学校への入学者選抜方法についてでございますが、県内各中学校において学力較差があると考えるか否かにつきましては、入学者選抜の方法には、これが万全だというものはなく、その時点における最も妥当な方法を選択して実施してきたところでございます。 本県におきましては、かつて学力検査の得点と調査書の学習の記録の評定を五分五分に見る制度が導入されましたときに、お説にございますような中学校の学力較差の問題が議論となり、学力検査の得点で調査書の学習の記録を補正した時代もございました。しかし、各公立中学校では、中学校学習指導要領に基づいて指導を行っており、また、通学区域が定められていることから、中学校間の学力較差はないとの前提に立って入学者選抜も改善され、現在に至っております。また、他の都道府県におきましても、同様な観点から入学者選抜が行われているところでございます。 次に、学力較差を考慮した入学者選抜方法の是正を行う用意があるかどうかについてでございますが、本県におきましては、知識、理解など数量的にとらえることのできる学力だけでなく、思考力、判断力、表現力などを重視する今次教育改革の目指す学力観に立って、多様で多元的な入学者選抜を進めているところでございます。今後とも、より適正な入学者選抜に向けて研究を進めてまいる所存でございます。 次に、現行の入試選抜方法を見直す考えはあるかについてでございますが、入学者選抜方法の改善につきましては、今般、大幅な改革を行いまして、その現行制度の定着を図りますことに主眼を置き、今後、部分的な改善を加えてまいるという点で、引き続き検討を続けてまいりたいと存じます。 なお、お話の調査書を用いない選抜方法についてでございますが、調査書には、生徒の中学校三年間の学習の記録や特別活動、部活動などの成果が記載されております。これを用いないで選抜を行いますと、学力検査点数重視となり、中学校教育へ大きな影響をもらたすものと考えられますので、今後慎重に研究してまいりたいと存じます。 次に、(二) 高等学校における普通科のコースについてでございますが、普通科のコースに入学しました生徒の多くは目的意識を持って学習に取り組み、学業面や進路などにおいて着実に成果を挙げております。十月の進路希望調査についてお話をいただきましたが、この数値は、中学生が進路先を絞りきれない時点での調査結果でもございまして、毎年定員割れを生じております。その後の進路指導などによって志願者が充足してまいりますが、しかし、一部のコースでは、最終的にも定員割れを生ずるという状況もございますので、御指摘のとおり、コースの活性化を積極的に図ることが緊要であると認識いたしております。 県教育委員会といたしましては、平成七年度・八年度の二か年にわたり、コースの教育内容・教育方法の改善充実などについて、多角的な視点に立って、鋭意検討してまいったところでございます。 この検討結果に基づきまして、今後、各学校がコースの教育課程の弾力化・多様化を進め、特色を生かした体験学習を導入するなど、真に魅力ある教育活動が展開できますよう支援いたしますとともに、コースから学科への転換なども含め、活性化方策を積極的に推進してまいりたいと存じます。 次に、(三) 金属バット長男殴殺事件についてでございますが、県内の家庭内暴力の数につきましては、事の性格上、その全ぼうを正確に把握するのは極めて困難であり、把握できますのは、いわば氷山の一角と存じますが、県立南・北教育センターにおける面接相談によって把握できた件数によりますと、平成六年度は、中学校二件、高等学校三件、平成七年度は、中学校四件、高等学校三件、平成八年度は、これは十一月まででございますが、小学校一件、中学校三件、高等学校二件が報告されております。この三年間を通じて、小・中・高合わせて十八件の相談が寄せられておりまして、そのうち、男子は十六件、女子は二件でございます。 次に、内容的、質的な傾向の変化についてでございますが、一般的には、家庭内暴力は子供が親からの自立を求める中で、思春期に見られます反抗心を素地といたしまして、これに何らかの強い心理的ストレスが加わるなどして抑制がきかなくなり、極端なかたちで、あるいは突発的に発生するものかと存じますが、特に、最近の事例では、登校拒否に陥った子供を無理に登校させようとしたことの反動として、家族、特に母親に暴力を振るうケースも見られるようになってきております。 次に、家庭内暴力をどのように認識しているかとのお尋ねでございますが、本来、敬い慈しみ合う関係にあるべき親と子が、極端な例では、殺人にまで至るという状況は、誠に憂慮にたえないところでございます。私も教育者といたしまして、今後このような事件が起きないよう、これは教育委員会とか学校だけですむ問題ではございません。社会全体を挙げてでございましょうが、特に、家庭、地域社会、学校が、それぞれの教育力を強め、連携、分担しあう協力のもと、全力を挙げて努力してまいりたいと存じます。 次に、家庭内暴力の根絶のための方策についてでございますが、家庭内暴力の原因は、家庭の教育力の低下などいうことが非常に言われるわけでございますが、現代社会の要因が複雑にからみあった深刻の病理の現象形態といいますか、現れであり、したがって、すべて解明されたわけではございませんが、一般的には、やはりモラルの低下や、いわゆる甘えの構造による自己抑制力の欠如などが考えられ、今後、相談ケースの分析を進めていく必要があると考えております。 県教育委員会といたしましては、子供たちだけではなく、親の方々の悩みについても、いつでも応じられる相談の場や機会を設けるため、学校にさわやか相談室を設置するとともに、県立南・北教育センター及び県立青年の家における心の教育相談室、フリーダイヤルによる電話相談の開設など教育相談体制を確立し、家庭内暴力の根絶に向けて鋭意努力をしてまいりたいと存じます。        〔野沢通泰生活福祉部長登壇〕 ◎野沢通泰生活福祉部長 御質問六、彩の国いきがい大学と市町村の高齢者大学との連携についてお答え申し上げます。 まず、彩の国いきがい大学の運営状況についてでございますが、高齢者の方々が彩の国いきがい大学や市町村の高齢者大学を通して、その豊富な経験と知識の上に、さらに新たな学習を積み重ねることにより、生きがいの増進や地域活動への参加を図っていくことは、高齢期を充実したものとする上で極めて有意義なことと存じます。 このため、県といたしましては、財団法人埼玉県高齢者生きがい振興財団に補助をいたしまして、一年生課程七学園、二年生課程二学園の運営を行っております。平成八年度の入学定員は千百三十人となっております。これまでに学園を巣立った高齢者の方々は、約一万三千人に上っておりますので、多くの方々がそれぞれの地域におきましてボランティア活動など、様々な地域活動に参加されていると聞いております。 次に、市町村における実施状況についてでございますが、平成八年度には六十三市長村において開設されております。内容につきましては、一般教養を中心としたものから、文化活動、健康づくり講座など様々であり、開催回数も年に数回から三十回以上のものまでと、市町村によって相違が見られるところでございます。 次に、県のいきがい大学と市町村の高齢者大学との連携の在り方についてでございますが、お話にもございましたとおり、将来的には、一般教養や趣味的講座などの基礎的な講座につきましては市町村にお願いいたしまして、県はより高度かつ専門的な講座を実施していくという方向が理想であると存じております。 しかしながら、高齢者大学を実施していない市町村があることや、実施している市町村につきましても、その内容にかなりのばらつきがございますことから、直ちに役割分担を行うことは困難な条件にございます。このため、平成八年度におきましては、市町村高齢者大学との連携推進事業を実施いたしまして、相互の情報交換、カリキュラムの研究などを行っているところでございます。 県といたしましては、当面、彩の国いきがい大学と同種の高齢者大学を設置している市町村と連携しながら、相互の大学の質の向上を図り、高度化する高齢者の学習ニーズにこたえるよう学習基盤の整備に努めてまいりたいと存じます。        〔土居眞衛生部長登壇〕 ◎土居眞衛生部長 御質問七、看護職員の研修についてお答えを申し上げます。 御指摘にございましたように、近年、高齢化が進む中で、在宅医療の重要性はますます高まってきておりまして、その中心的な役割を担います訪問看護婦の質的向上が必要になってきているところでございます。 さて、看護福祉大学(仮称)でございますが、将来、教員や指導者として活躍できる人材の育成を図るとともに、本県の保健医療・福祉水準の向上に寄与することを基本理念といたしまして、平成十一年開校予定で現在準備を進めているところでございます。その中で在宅看護につきましても、教育カリュキラムの中で、大きな柱だてとして検討しているところでございます。また、現任の看護職員につきましても、御提言の趣旨を踏まえまして、時代に即応した研修ができるよう、大学の中に研修機能を持たせるなど、看護分野の研修の充実に向けて検討してまいりたいと存じております。        〔三澤邁策住宅都市部長登壇〕 ◎三澤邁策住宅都市部長 御質問八、地元問題についての(一) 都市計画道路西停車場線についてお答えを申し上げます。 お尋ねの都市計画道路前谷五領線から県道大宮栗橋線までの九百十メートルの区間につきましては、平成五年度から、国庫補助事業に併せまして、地方特定道路整備事業を導入し、平成十一年度の完成を目途に事業を推進しております。平成八年度末での用地買収率は、約六八パーセントとなる見込みでございます。 御案内のように、この道路は大宮栗橋線から久喜駅西口に至る幹線道路でございまして、近年大型店の進出などによりまして、駅周辺部では慢性的な渋滞を引き起こしている状況にありますので、県といたしましては、引き続き用地の取得に努め、地元市や関係権利者の御協力をいただきながら、早期完成に向け更に努力してまいります。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問八、地元問題についての(二) 県道幸手久喜線の喜橋の架換えについてお答えを申し上げます。 この橋は、お話のように、幅員が狭く危険であること、また河川改修があることから、架換えを行うこととしております。橋を含めた二百メートルの区間について、平成七年度に用地測量を行い、現在、用地買収を進めておりまして、現在、買収率は約三〇パーセントとなっております。引き続き地元関係者の御協力をいただきながら用地買収を進めまして、早期の工事着手に向けて努力してまいります。        〔古橋光弘農林部長登壇〕 ◎古橋光弘農林部長 御質問八、地元問題についての(三) 地元農産物の販売・加工開発についてにお答えを申し上げます。 近年、農産物の産地間競争が激しくなっております中で、本県農産物を有利に販売いたしますことは、大変重要なことであると考えております。そのため、知事自ら毎年、東京にあります日本最大の大田市場に出向きまして、本県農産物のPR活動に積極的に努めているところでございます。 本県が大都市圏に位置するという特性を最大限に生かしまして、農産物の直売や加工開発などによる付加価値の高い農業を推進いたしますことも大変重要なことでございます。 久喜市におきましては、地元の大手スーパーと連携した直売所の設置や特産品の梨を利用したワインの開発など、地域農産物を活用した取組をされ、農業・農村の活性化に大いに役立っているものと認識いたしております。また、全国的にも有名な美しいむらづくりや、れんげ祭による市民との交流事業など、積極的な活動は快適な農村の創造のみならず、市民の方々に農業・農村を理解していただくことにつながるものと存じます。 県といたしましても、このような先進的な活動をモデルとして推進してまいりますことは有意義なことでございますので、加工施設の整備も含め、農産物の販売や加工開発などにつきまして、積極的に支援してまいりたいと存じます。          ---------------- △休憩の宣告 ○浅古登議長 暫時、休憩いたします。午前十一時二十一分休憩          ----------------午後一時六分再開  出席議員   八十五名   二番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十四番  十五番  十六番   十七番  十八番  十九番  二十番   二十一番 二十二番 二十三番 二十四番   二十五番 二十六番 二十七番 二十八番   二十九番 三十番  三十二番 三十三番   三十四番 三十五番 三十六番 三十七番   三十八番 三十九番 四十番  四十一番   四十二番 四十三番 四十四番 四十六番   四十七番 四十八番 五十番  五十一番   五十二番 五十三番 五十四番 五十五番   五十六番 五十七番 五十八番 五十九番   六十番  六十一番 六十二番 六十三番   六十四番 六十五番 六十六番 六十八番   六十九番 七十番  七十三番 七十四番   七十五番 七十六番 七十七番 七十八番   七十九番 八十番  八十一番 八十二番   八十三番 八十四番 八十五番 八十六番   八十七番 八十八番 八十九番 九十番   九十一番 九十二番 九十三番 九十四番   九十五番  欠席議員   六名   三十一番 四十五番 四十九番 六十七番   七十一番 七十二番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(中川) 副知事(坂東)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○福田実副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○福田実副議長 質疑質問を続行いたします。 十二番 畠山清彦議員        〔十二番 畠山清彦議員登壇〕(拍手起こる)
    ◆十二番(畠山清彦議員) 十二番 公明の畠山清彦でございます。 通告に従いまして、順次質問をいたします。 昨年の十二月定例会初の一般質問で、私は、教育立県・埼玉を目指せとの提言をさせていただきました。その後、土屋知事におかれましては、その意をよくくんでくださり、平成八年度の教育費予算の増額や土屋県政二期目の基本政策に入れるなど、おかげさまで教育立県・埼玉は、言葉としては定着をいたしました。いよいよこれからだと考えます。そこで、教育立県を目指して五点にわたって質問をいたします。 先日、宮崎県にある高校の中途退学者だけを全国から集めた私立の全寮制高校、えびの高原国際高等学校を視察してまいりました。生徒さんたちは皆とても明るく生き生きとしておりました。本年三月に初めての卒業生を出したそうでありますが、それまでの一年間の苦闘に大変感動し帰ってまいりました。 そこでの理想の教師像は、生徒に理解が深い、生徒から信頼される、自身を常によりよく変える努力をする、教えることに情熱を持つ、生徒を生かす評価ができるの五つです。私も全く同感です。また、生徒指導での心掛けとして、生徒のいいところを見つけ、ほめてあげる、成長するまで辛抱強く待ってあげるを挙げておりましたが、教師としての大事な要件です。 私は、正直にいいところを見つけるのは大変難しいのではありませんかと伺いました。教頭先生は、いとも簡単に答えました。そんなことはありません。学校の中だけでは難しいこともありますが、一日中見ていれば必ず見えてきます。そのときおっしゃった校長先生の言葉を私は忘れることができません。この子たちにとっては、ここが最後のとりでなんです。私たちは見捨てるわけにはいかないのです。何という責任感、何という情熱、何という使命感でありましょうか。自身も北海道の開拓史で教育者の第一歩を記した日本の偉大なる教育者牧口常三郎先生は、児童生徒の生涯にわたる幸福こそ教育の目的であると主張いたしました。そして、「教師こそ最大の教育環境である」が、その教育理念の神髄であります。 私は、校長先生の話を聞いて、そのことを思い出したのであります。教育立県を目指すには、まずもって、教師の質の向上というハードルを越さねばなりませんので、あえて知事がお考えの理想の教師像を承りたいと存じます。 二点目に、教師の質の向上ついて伺います。 私は、教師としての生命線は、使命感と責任感と情熱であると考えます。これらをいかに持続させるか、現状では本人の資質に負うところが大きいのであります。そく聞した話でありますが、ある小学校の担任が家庭訪問の際、私は子供が嫌いだと言ったそうであります。子供の嫌いな人にどうして教師が勤まるんだ、そのお母さんは大変なショックを受けました。先日、県立大宮北養護学校に伺いました。そこの先生方の献身的な指導ぶりに私は大変感銘を受けました。養護学校では、先生が全人格を通し、辛抱強く、児童生徒の個性、可能性を引き出してあげなければなりません。早朝のランニングを毎日欠かさず続けている生徒には、勤務時間外にもかかわらず同伴している先生がおられます。文字どおり自らの時間を割き、指導に当たっているのであります。まさしく教育の目的を完遂するためには大変な労苦が必要なのです。当然、それをサポートする環境と生活の基盤も大事ですが、まず、教師という誉れある労苦に、生涯身を挺していこうという覚悟は必要なのではないでしょうか。そこで私は、埼玉方式として、以下のことを提案いたします。 まず、教師としての適性を判断する期間として、二年間、臨時採用の期間を設けること。もちろん賃金は保障し、この間に本人に教師としての情熱が失せないかどうかを判断してもらう。そして、情熱の失せない人だけを正式採用する。さらに、新任の一年間は全員が養護学校で教鞭を取る、その上、閉鎖社会になる傾向を防ぐためにも、五年ごとの研修を夏休みの二、三週間を利用し、民間企業で実施するなどであります。 以上を踏まえ、教師の質の向上のために県としてどう取り組んでいくのか、教育長に御所見をお伺いいたします。 三点目は、校長の責任感の向上と権限の発揮についてです。学校の運営においては、校長のポリシー、情熱等が多く影響します。創立者を持たない公立の学校では特にそうであります。過日、私は、船橋市立船橋中学校を視察いたしました。そこは毎朝一時間目の授業の前に十分間の読書をすることで有名な中学校です。本当にびっくりしました。朝元気に通学してくる、また朝練に汗を流している生徒が、この時間だけは一年から三年まで、どのクラスもしーんと静まりかえり、自分の本に没頭しておりました。担任の先生も自分の席で自分の本を読んでいます。決して本を忘れた生徒に注意をしたり、感想を聞いたりはしません。この十分間読書の条件は、生徒に感想を求めたり、感想文を書かせたりしないこと、漫画以外ならどんな本でもよいとのことであります。それだけで、かつては騒々しかったクラスの授業時間が授業を聞く姿勢に大きく変わり、本好きの生徒も増えてきたそうであります。しかし、導入に当たっては、先生方の理解をなかなか得られず、最終的には校長先生の勇気ある決断が今日の成功を招いたのであります。 校長先生はおっしゃっておりました。読書はビタミン剤のようなものです。即効性はないが、あとでじわじわ効いてくる。また、どんな本でも主人公は頑張って生きている。主人公が生徒に生きる勇気を与えてくれるんです。本県にも良い事例はたくさんあります。その中の一つ、越谷市立栄進中学校は、生徒と教師と保護者の三者で魅力ある授業づくりに取り組んでいます。その中の一人の先生は、学年末に生徒に自身の授業の採点を付けてもらい、来年度に生かそうという謙虚にして勇気ある試みまで行っております。この中学校でも、校長先生がリーダーシップをとっています。 そこで教育長に、校長の責任感の向上と権限の発揮のために、県はどのような指導体制を取っておられるのか、お伺いいたします。 私は、小・中学校は教育事務所単位で、高校は県単位で校長を対象にした実践報告会的な研修会を定期的に行うことを提案いたします。そして、そこで報告された内容の良いものは、例えば、朝の十分間読書のようなものは、積極的に取り入れるという指導性を県が持つべきだと考えますが、併せてお答えいただきます。 四点目として、自然環境学習について伺います。 自然の持つ多様性、教育力に着目し、子供に自然を復活させようと訴えている方がスーパーネイチャーリングセンター構想を提唱している宮城教育大学の伊沢教授であります。先生は、金華山に自らの構想のモデルをつくり、実践しておられます。先日、宮城教育大学で伊沢先生の話を伺ってきましたが、今の環境教育の問題点として、施設整備に重点が置かれ、内容が生態展示などワンパターンになっいる。タイムスケジュールが組まれた中、自然に触れても、自然を舞台にした教練にすぎないなどを指摘しておられました。それに対し、金華山に遠足に行った子供たちは、家に帰ると一様にじょう舌になり、親を寝かせないほどだそうです。それでは、どんな遠足か、細かいタイムスケジュールを組むのではなく、自然の中に放り出してあげるのだそうです。多様な自然に有りのままに触れる、すると自然はいろいろな問題を出してくれる、子どもたちは自分のペースでそれを受け止め、様々なことを啓発し、そして発見し、感動する。それが個性への開花へとつながっていくのです。管理されてではなく、自分の歩き方で観察できることが大事なのです。 本県にも大滝村のように自然が十分残っているところがあります。そこで、大滝村を自然学習の大教室と位置付け、例えば、小学生の間で、必ず一度は自然学習に行くとかの教育プログラムを作成したらどうでしょうか。幸いに大滝村には、集団で宿泊研修ができる大滝グリーンスクールや自然の生態等が学べる彩の国ふれあいの森もあります。これらの施設とリンクさせながら、多様性に富んだ自然を見つめ、自然にひたることを理念として、彩の国スーパーネイチャーリングセンター構想(仮称)をまとめたらどうでしょうか。必ず感動を与える教育ができ、自然保護の目も芽生えてきます。環境優先の知事だからこそできる教育と自然保護をリンクさせた大構想だと考えますが、知事に御所見を承りたいと存じます。 五点目として、彩の国県民総合大学(仮称)について伺います。 英国第五十代宰相 メージャー首相は、十六歳で学校を中退しました。しかし、彼は、私は人生という大学でコモンセンスを学びましたと述べております。私が考える教育立県は、学びたい人がいつでも学べ、学ぶことによって明日への希望が持てる、そんな教育環境を整える、学校現場だけではなく、彩の国さいたまそのものが県民の総合大学となって、多種多彩な人材を排出する、そんなイメージであります。 現在でも、生涯学習については、彩の国県民カレッジや彩の国いきがい大学など幾つかのプログラムがあります。また、市町村でも各種講座を持っております。しかし、それらは縦割りの中に存在したり、市町村の壁にはばまれております。そこで私は、これらの県や市町村の教育資源を県がコーディネイトし、県民の教育資源として提供できるネットワークを構築すべきだと考えます。これらを総称して彩の国県民総合大学(仮称)と呼ぶのです。この大学は中高年にはリカレントになり、女性には社会進出のための専門的学問を学ぶ場ともなり、高校進学・大学進学を断念した人、中途退学を余儀なくされた人には、再び学ぶチャンスとなります。将来的には、衛生短大跡を利用したスクーリングや、知事の世界的人脈を生かした講座を開いてもよいでしょう。希望があれば留学もできるようにすれば、県民に歓迎されるのではないでしょうか。 以上の趣旨の彩の国県民総合大学(仮称)について、知事の御所見を承りたいと存じます。 次に、彩福祉グループの不正事件について、まず、生活福祉部長にお尋ねいたします。 朝日新聞十月十三日付けにこんな記事があります。「全国社会福祉政治連盟・老人福祉施設部会は、衆議院選の公示日、茶谷氏の推薦を決めた。約四千五百施設を組織する全国老人福祉施設協議会の会長でもある石井岱三部会長は、選挙中自民党の大物ら十四、五人を回り、公的介護保健法案の早期成立を要請するつもりだ。普段はなかなか会えない人でも、選挙中は別だから、もちろん手ぶらというわけにはいかない、何十万円かは包んでいく、こうしたことの積み重ねでパイプもできていく。」 石井氏は、あけぼのの青写真を描いた福祉のまちづくり検討委員会の委員を務め、つい先日まで彩福祉基金の理事でもあり、茶谷容疑者とのかかわりが見え隠れします。現在、石井氏は、本県の生活福祉部所管の特別養護老人ホーム、老人保健施設サービス評価委員会など、三つある審議会の委員をすべて兼任しているただ一人の人物ですが、報道が事実であれば、こうした人物が県の要職についていることは重大問題です。記事の事実関係を確認されたのかどうかも含め、御見解をお示しください。 二点目も生活福祉部長に質問いたします。 彩福祉グループ特別養護老人ホーム六施設のうち三つが衆議院選埼玉六区内にあり、もう一施設も六区に隣接しています。このことは特養の適切配置に欠け、なおかつ福祉を選挙に利用したとの見方もできるわけですが、御見解を承りたい。併せて、彩福祉グループの原点である北本特別養護老人ホーム建設の同意書、意見書を出した北本市、その福祉部長は、本県生活福祉部からの出向職員でした。茶谷容疑者と連携して事を進めた節はなかったのかどうか、お答えください。 三点目として、坂東副知事に、知事が理事長である財団法人シルバーサービス情報公社につくられた社会福祉施設建設・運営研究会について質問いたします。 毎日新聞十二月九日付け報道によると、この会は平成六年に茶谷容疑者の肝入りで発足し、入会すれば特養をつくりたい人の名簿が手に入り、商売に生かせますよと、県や公社の職員が業者に勧誘や参加の打診を行ったと書いてあります。まず、これは事実でしょうか。 次に、我が党の調査によれば、研究会の入会金は百万円、年会費は五十万円、研究会メンバーにはジェイ・ダブリュー・エムをはじめ、入札妨害で本県から六か月の指名停止処分を受けた大栄建築事務所、ジェイ・ダブリュー・エムから丸投げを受けた鉄建建設、斎藤工業、北本特別養護老人ホームの給食を行っている日清医療食品など十七社が参加、老人福祉施設の新規設立希望者に対するコンサルティング業務を行っています。なんだか、老人福祉施設建設にむらがり、福祉を食い物にする温床になった仕組みにも写るわけです。この研究会について、まず、参加企業を明らかにしてください。 次に、研究会が発足から今日までどんなコンサルティング業務を行ってきたのかをお示しください。また研究会設置前と設置後では、新規設立施設に対する設計・建設・介護機器販売・給食業務・委託業者に偏りが生じていないか明らかにしていただきたい。そして、研究会を今後も続けていかれるのかお示しください。 最後に、シルバーサービス情報公社の賛助会員について四点お聞きします。 まず、小山容疑者の個人会社トウセンが入っていますが、このまま放置しておくつもりですか。 次に、そもそもこうした公社に入会金が五十万円から二百万円、年会費が二十万円から三十万円もする賛助会員を百九社も募る必要があるのでしょうか、これが二点目。 三点目は、具体的にどういう活動をしているのか。 四点目に、賛助会員について見直す予定はありますか。 以上、坂東副知事にお伺いいたします。 次に、子どもの権利に関する条約について質問いたします。 我が国が子どもの権利に関する条約を批准して二年がたちますが、一向に社会に浸透している様子はありません。本県はどうかといいますと、県教育委員会が教師用リーフレットで教師に周知徹底を図っているだけで、当事者である子供に直接訴えかけ、理解を深めるような努力はしておりません。私の調査によりますと、年代別のパンフレットまでつくっている他県と比べ非常に後ろ向きと言わざるを得ません。この条約の本質が社会に浸透し、心底、みんな違うってすばらしいと言えたとき、いじめの芽も摘まれ、生命尊厳の社会ができるのではないでしょうか。私は、本県が教育立県を目指す上でも、独自の目標をもってクラスごとにその本質を学ぶなど、学習と啓発の機会を積極的につくるべきだと考えますが、教育長の御所見を承ります。 次に、痴呆性高齢者・知的障害者の権利擁護機関の設置について質問いたします。 高齢社会が進むにつれ懸念されるのは、高齢者の権利擁護や財産管理に関する方途であります。痴呆性高齢者にとっては意思決定ができないため特に重要です。また知的障害者につきましても、両親なき後、子どもの権利や財産はだれが見てくれるのか、切実な問題であります。 我が党では、この問題に関しまして、いち早く取り上げ、高橋幸寿議員が昨年の十二月定例会で、東京都の痴呆性高齢者及び知的障害者の権利擁護センター「すてっぷ」の例を引き、方法や機関の在り方について検討するよう提案したのであります。私も、先日その「すてっぷ」を視察してまいりました。そこでは痴呆性高齢者・知的障害者に対する相談活動や援助活動など行っています。しかし、「すてっぷ」でも財産管理となると、現行法の範囲ではできずに、銀行の貸金庫に預けているだけであります。また、広いエリアをカバーするために、週一度、立川で出張相談を行っております。私は、最終的には財産管理もできる成年後見制度の確立が必要であると考えますが、まずは権利擁護機関の設置を急ぐべきだと考えます。 そこで、大宮市にある埼玉県高齢者総合相談センター内に、痴呆性高齢者・知的障害者の権利擁護機関を早急に設置すべきと考えます。さらに、身近なところで相談できるよう、県の各福祉事務所にこの機能を持たせたらいかがでしょうか、生活福祉部長に前向きな御答弁を求めます。 次に、特定フロンの回収に関する条例の制定について伺います。 本年から、オゾン層破壊の影響が大きい五種類の特定フロンについては生産が中止されましたが、回収は思うように進まず、大部分は大気中に放出され続けております。その結果、皮膚がんなどの人体への影響や植物の成長に多大な影響を及ぼすという懸念が持たれております。気象庁の発表によりますと、南極のオゾン層の破壊は、この秋、過去最高に達し、また、北海道でも影響が認められるほど北極の破壊も進んでおります。環境庁の調べによりますと、特定フロンの回収率は、家庭用冷蔵庫で五パーセント、カーエアコンでは七パーセント、業務用冷凍空調機器でやっと一〇パーセントです。回収率が上がらない原因は、買い占められていた新品のフロンがかなりあったこと、回収システムが構築されていないことにあります。特に後者については、回収を義務付けた法律がないことから、野放し状態になっているわけであります。 先日、県民環境常任委員会で視察した世界初のフロン破壊施設でも、回収が少ないために宝の持ち腐れ状態でありました。工場長も法整備を強く訴えておられました。その中で特に目立ったのは、兵庫県からの回収ボンベの多さであります。説明によりますと、全国で唯一、県条例で特定フロンの回収を義務付け、ユーザー、販売店、工場等をネットワーク化した回収システムをつくっているので回収率も高いそうです。環境優先の本県こそ、県条例を制定し回収を義務付け、一貫した処理システムを早期に構築すべきだと考えます。環境部長の御所見をお示しください。 次に、技能五輪全国大会の本県開催について伺います。 近年、若者の技能離れ傾向が進み、将来、産業の発展に大きな影響を及ぼすことが懸念されております。若い技能者の育成は、本県産業の発展のためにも早急に取り組まなければならない重要な課題であります。そのような中、若い技能者を対象に毎年開かれる技能五輪全国大会は、優勝者が国際大会に出場できるということもあって、若い技能者にとって、あこがれの大会になっております。 本年二月定例会において、我が党の井上正則議員は、本県の技能振興の取組の一つとして、技能五輪全国大会の本県誘致を強く提案いたしましたが、私も、この大会が早い時期、例えば、新都心完成時に併せて本県で開催されることを期待しております。井上議員の質問に対し、知事は大変前向きな御答弁をされておりますが、その後の取組の状況はどのようになっているのか、労働部長にお尋ねいたします。 次に、県民本位の行政について質問いたします。 初めに、県営住宅の入居手続について伺います。 入居権利者になった方が手続きするとき必要な書類に、県条例に規定されている入居権利者と同程度の収入を有する連帯保証人二名以上の連署する請書があります。その上、条例施行規則で連帯保証人は収入を証明する書類を提出しなければなりません。しかし、連帯保証人を二人も探すのは容易なことではなく、ましてや、他人のために所得証明書等を出してもらうのは難しいことです。連帯保証人を見つけられずに、入居の権利を得ながら県営住宅をあきらめた方もおります。既に、東京、千葉をはじめとする十八都道府県は連帯保証人を一人にしております。そこで私は、一つ、連帯保証人を民間並みの一名とし、所得証明書等も不要とするよう県条例及び施行規則を改正する、二つ、連帯保証人を立てられない人のために保証金制度を設けるの二点を提案いたします。住宅都市部長の明快な御答弁を求めます。 次に、乳幼児医療費の窓口払い廃止の前段階としての手続の簡素化について伺います。 乳幼児医療費の窓口払い廃止については、三歳未満児の医療費完全無料化実施と併せて、お母さま方の長年の要望であり、我が党といたしましても、毎年の予算要望をはじめ、あらゆる機会に執行部に強く要望してまいったところであります。しかし、現実には多額の財政負担をどう乗り越えるのかというのが最大のネックになっております。その額は、現行制度でも、重度心身障害者医療費等を含めますと、約三十億円の増額になると考えられます。しかし、これはあくまで試算であります。県民の視点から考えるならば、一歩でも窓口払い廃止に向け踏み出すことが大切であります。 そこで私は、あくまでも窓口払い廃止を目指しますが、その前段階として、まず、手続の簡素化を図るべきであると考えます。例えば、あらかじめ官製はがきに印刷した証明書の用紙を病院の窓口に設置し、月末に病院側に記入してもらい投函する、この方法ですと、お母さま方が市町村の窓口と病院を往復する必要がなくなります。生活福祉部長に一歩前進の御答弁をお願いいたします。 続いて、県民情報誌の発刊について伺います。 現在、本県が発行している刊行物は、平成七年度で四百九十件、その製作費は約十四億円でありました。そのうち、一般県民向け件数は百五十五件です。行政の広報の使命とは、どれだけ多くの人に伝えられるかであります。しかし、実態は、その三分の二が行政機関を主な配布先としています。そして、その費用は、平成七年度で四億円強に上ります。残り三分の一の一般県民向け刊行物も、全県民対象となると、今月発行される教育広報紙と彩の国だよりしかありません。他の県民対象のものは発行部数が少ないのに種類が多く、製作費は二億円強になります。非常に非効率的な広報予算の使い方だと感じるわけです。その結果、県民からは欲しい情報が手に入らないという声が数多く寄せられております。 現在、彩の国行政改革大綱にのっとり、各部とも、行政諸機関対象の部内の刊行物については、スリム化に向け鋭意努めていると認識しておりますが、特に県民向けの刊行物については、県民のニーズにこたえるものにすべきであります。そこで、各部局で発行している一般県民向け刊行物は、県民の基本情報の共有という観点から、彩の国だよりと教育情報紙を中心に、必要最小限に統廃合すべきと考えます。その上で、それとは別に東京都や兵庫県のように、県民にとって付加価値のあるものを集め、情報誌として発行したらどうでしょう。例えば、東京都の東京人は、都が二億円出資した財団が定価八百八十円で発行し、既に創刊十年、通刊百号を超えています。大変魅力的な情報誌で、発行部数も約二万部を数え、本県でも発売されております。 本県には観光財産が少ないと言われておりますが、そんなことはありません。ただ、それをタイムリーに県内外に知らせるグッズを持っていないだけです。ですから、第三セクター方式で書店に並べられる有料の情報誌を発行し、そこに各部局の県民向け付加価値情報を集約すべきなのです。広告料を取ってもいいと思います。バックナンバーがそろえば、情報の蓄積という意味で更に価値を生みます。県民部長の御見解をお伺いいたします。 次に、国有水路敷の使用許可について伺います。 現在の建築基準法では、接道要件から、国有水路敷に面しているところに家を建てる場合、どんなに細い水路敷や現況のない水路敷でも、国有財産法による使用許可が必要であります。さらに、三年ごとに土木事務所に赴き使用許可の更新が必要です。この制度に関して、当事者の方々は、大変な不便さと、今後何十年も続けていかなければならないのかと疑問を感じています。このような箇所が、平成七年度、大宮市内だけでも百六十三件、県全体では二千三百七十一件あります。法律とはいえ、日常的に通過している水路敷まで使用許可が必要であるとは、江戸時代の関所をほうふつさせるような行政の有り様であります。県民の利便性を考えると、使用許可を必要としないのが最も良いことですが、そのためには、市町村が国有水路敷を自身の財産として管理することが必要です。 具体的には、道路区域に含めることが可能なところについては市町村道に併合することです。次善の策として、身近なところで手続できるよう市町村が条例をつくることであります。地方分権に向け県は積極的に市町村を指導すべきであると考えます。もし、市町村への財産管理の移管が難しい場合、三番目の策として、使用許可の更新については、所管の土木事務所から往復官製はがきで通知し、返信用はがきの到着をもって手続完了とするなど、県民がいちいち事務所にいかないですむよう手続の簡素化を図るべきであります。この件について、現在まで取り組んだことがあるのか、今後どのように取り組むのか、土木部長から御答弁をお願いいたします。 次に、中央図書館(仮称)構想について伺います。 生涯学習の要求と情報社会の進展につれ、情報・文化・学習拠点としての図書館の役割はますます重要になってまいります。その意味で、現在検討されています中央図書館(仮称)は大いに期待が集まっております。 過日、私は、図書室委員会の一員として岐阜県図書館を視察いたしましたが、開放・参加・創造をキーワードに、岐阜県域の中核図書館として、県民のニーズによくこたえておりました。著作をその内容からも検索できるシステム、個人用地図の作成システムには特に感銘しました。しかし、私が最も心を動かされたのは、読書ができる、水を十分にたたえた庭園であります。私は、本県がつくる中央図書館も、このように高い機能性とともに、心やすらぐ場としての役割を満たした施設にしてほしいと思うのであります。 用地につきましては、大宮市が周辺駅からのアクセス、区画整理を含めまして富士重工の跡地利用を計画しておりますが、ここも候補地として考えられるのでないでしょうか。用地の選定を含め、中央図書館(仮称)基本計画策定委員会での検討状況を教育長にお伺いいたします。 最後に、地元問題について伺います。 一つ目は、大宮駅への地下鉄延伸についてです。 二〇〇二年ワールドカップサッカー大会の国内会場は、今月二十五日に十会場に絞り込まれます。選定の重要な要素に会場及び宿泊会場へのアクセスがあります。知事はじめ執行部におかれては、県営スタジアム(仮称)招致の自信はおありと思いますが、将来開催される国際試合等の観客の足確保のためにも、地下鉄七号線は岩槻方面とともに新都心経由大宮駅までの延伸が絶対に必要でしょう。埼玉高速鉄道株式会社は本県出資の会社です。本県が決断できるはずです。大宮駅まで延伸すれば絶対赤字にはなりません。企画財政部長に地下鉄六号線と併せて、大宮駅延伸への取組をお伺いいたします。 二つ目は、治水橋付近の自転車・歩行者道付替えについてです。 県道大宮・上福岡所沢線は、治水橋の架換えとともに、自転車・歩行者道も橋の内側に敷設されましたが、大宮寄りに来ると、自転車・歩行者道は旧来のまま下がってしまいます。県道からは死角となり、特に夏は草が生い茂るため、自転車通学の生徒さんたちは車道を走り、いつ事故が起きても不思議ではない状態になっています。そこで、通学路の安全確保の観点からも、自転車・歩行者道の付替えについて、我が党は毎年予算要望しておりますが、今後の見通しについて土木部長よりお聞かせください。 以上で私の質問を終了いたします。御清聴誠にありがとうございました。(拍手起こる) ○福田実副議長 十二番 畠山清彦議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 畠山清彦議員の私に対する教育立県・埼玉を目指しての御質問にお答えを申します前に、畠山議員の御質問に対し、傍聴にお見えになりました県民の皆様方に、今回の不幸な事件によって、大変県民に御迷惑をおかけいたしましたことを心から深くおわびを申し上げます。 また、畠山議員が教育問題に対しまして、若き情熱をもって日ごろ取り組んでおられることに対しましても深く敬意を表します。 さて、理想の教師像はについてでございますが、私は常々、教育は国家存立の基本であり、国づくりの基礎は人づくり、人づくりの基礎は教育にあると考えております。とりわけ学校教育は、子供が心身ともに大きく成長する重要な時期に子供と教師との信頼関係のもとに行われるべきものでございます。教師の考え方や言動は、子供の生き方に大きな影響を与えることが多く、それだけに教師の果たす役割と責任は極めて大きいものがございます。 私は、現場主義に徹し、時間の許す限り県内を歩いて、県民の生の声などを県政に反映すべく努力をいたしており、いろんな学校を訪問させていただく機会がございますが、子供の指導に当たる先生方のひたむきな姿に感動を覚えることもしばしばございます。畠山議員のお話のとおり、教師こそ私は最大の教育環境でございまして、学校教育では、子供の良さや可能性をみつけ、これを伸ばすことが肝要であり、その成否は教師の教育に対する姿勢や力量いかんにかかっておるものと存じます。 教育にかける情熱や、この豊かな人間性、自ら学び続ける意欲を持つ教師、そして何よりも一番大事なことは、私は、やはり子供への深い愛情を持った教師こそが、私の理想とする教師像であります。こうした教師を育成していくことが、明日の埼玉を担う人づくりに期待する六百八十万県民の願いであるものと存じます。 次に、自然環境学習についてでございますが、私は、純真な子供時代に大自然の有りのままに触れる自然体験は、子供たちの感受性を豊かにし、人格形成に良い影響を及ぼす重要なことと考えております。私は、知事就任以来、環境優先の理念のもとに、環境行政に全力で取り組んでおります。本年二月には、埼玉県環境基本計画を定め、その中に環境学習を位置付けたところでございます。環境についての学習は、自然の有りのままに触れ、発見し、感動することとして、みずみずしい感性を養う自然体験が基礎となっておりますので、この自然体験による学習は特に小さいときから行うことが極めて大切であろうかと存じます。 畠山議員お話の大滝村を自然学習の大教室と位置付けた彩の国スーパー・ネイチャリング・センター構想は、大変示唆に富んだものでございますので、教育委員会をはじめ関連部局を通じて、このことにつきまして研究をしてまいりたいと存じます。 最後に、彩の国県民総合大学(仮称)についてのお尋ねでございますが、私は現場主義に徹しまして、多くの県民の皆さん方から直接県政に対する御意見を伺う機会がございますが、その中で特に印象に残りましたのは、県内どの地域におきましても、県民の皆様方が生涯学習に熱心に取り組まれ、また、生涯学習に対しまして大変大きな期待を寄せておるということでございまして、こうした生涯学習に対する期待に県として適切にこたえてまいりますためには、私は、県、市町村、そしてまた民間が個別に提供しております現在の学習機会を、県民の皆様方の視点に立ちまして、広域的に、しかも体系的な仕組みに変えてまいりますことが大切なものであると考えておるところでございます。 そこで、本年度は、その第一歩といたしまして、インターネットも活用をいたしました生涯学習情報ネットワークシステムの整備に着手し、県内全域の学習情報のネットワーク化を進めておるところでもございます。今後、各部局や市町村相互の連携による学習機会のネットワーク化を進めまして、いつでも、どこでも、だれでも、自分に合った学習に取り組むことができる彩の国の生涯学習社会づくりを推進をしてまいりたいと存じます。 御提言いただきました彩の国県民総合大学(仮称)につきましては、様々なアイディアと示唆に富んだ内容と存じますので、これらの施策を推進してまいります中で、御趣旨を生かしてまいりたいと存じます。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問一、教育立県・埼玉を目指してについてお答えを申し上げます。 まず、(二) 教師の質の向上についてでございますが、子供一人ひとりの個性を尊重し、その良さや可能性を生かし伸ばしていく教育を実現するためには、御所見のとおり、教師が使命感と責任感と情熱を持って取り組むことが極めて大切なものと存じます。 御提言のうち、二年間の臨時採用や養護学校における一年間の研修につきましては、誠に示唆に富むものとして拝聴をいたしました。二年間の臨時採用の期間を設けることにつきましては、初任者研修制度が発足する際に教員のインターン制度が論議されたこともございまして、結果的には実現に至りませんでしたが、まさにそのような意味で、的確な御指摘と受け止めております。 また、養護学校における一年間の研修につきましては、障害を持った子供たちに教師が全人格を通して辛抱強く接しながら、子供の個性を生かし伸ばしていく経験は、いわば教育の原点を学ぶ貴重なものでございまして、できれば、すべての教員に体験させますことは大変意義深いことと考えます。しかしながら、現行法のもとでは、御提言をいただいた臨時採用などをそのまま実施することは困難な状況にございますが、お説の趣旨を最大限に生かして、養護学校との人事交流や現在実施しております研修において異校種交流などを取り入れ、使命感と責任感の強い、教育に情熱を持った教員の育成が図れますよう努めてまいりたいと存じます。 次に、民間企業での研修につきましては、学校外での新鮮な体験を通して、教員が人間としての幅を広げ、広く社会性を身に付けるとともに、自らの生き方を見つめる上で効果が期待されております。現在、長期社会体験研修について、文部省の実践的調査研究が行われているところでございますので、こうした研究の成果を踏まえ、対処してまいりたいと存じます。 また、本年七月に教育職員養成審議会がスタートし、新たな時代に向けた教員養成の改善方策について諮問が行われ、その中で、教員の養成と採用・研修との連携などについて審議が進められております。 県教育委員会といたしましては、こうした国の動向も見守りながら、御提言の趣旨を踏まえて、教員の質の向上に積極的に努めてまいりたいと存じます。 次に、(三) 校長の責任感の向上と権限の発揮についてでございますが、校長が替われば学校が変わると言われますように、校長は高い識見を持ち、斬新なビジョンのもとに自ら創造性を発揮し、創意あふれる学校経営に取り組むことが肝要であると存じます。 そのためには、お話にありました事例のように、校長は常にしなやかな感性と教育への情熱を持って学校の責任者としてリーダーシップを発揮することが求められます。 県教育委員会といたしましては、校長研究協議会、新任校長研究協議会などを実施して資質向上に努めているところでございますが、今後とも、御提言にありますような特色ある実践報告を一層取り入れるなど、研修会を更に充実させ、魅力ある学校づくりができる優れた校長の育成・支援に努めてまいりたいと存じます。 次に、御質問三、子どもの権利に関する条約についてでございますが、御案内のとおり、この条約の趣旨につきましては、日本国憲法、教育基本法をはじめ関係法令などによって既に制度化されており、これまでも基本的人権の尊重に徹する教育を推進してきたところでございます。 県教育委員会といたしましては、本条約の発効を契機といたしまして、更に一層、児童生徒の人権に配慮し、一人ひとりを大切にした教育を推進するため、この条約に関する通知やリーフレットを学校に配布し指導してまいりました。各学校におきましては、児童生徒に対し、全校集会や学級活動の場において、リーフレットを活用して条約の趣旨を説明したり、社会科などの授業の中で、基本的人権の尊重の内容に関連いたしまして指導をいたしております。 県教育委員会といたしましては、今後とも各種研修会を通じて、条約の趣旨を各学校に周知徹底を図ってまいりますとともに、授業などを通し、児童生徒の啓発に一層努めるよう指導してまいりたいと存じます。 次に、御質問八、中央図書館(仮称)構想についてでございますが、昨年度に策定をいたしました埼玉県立中央図書館(仮称)基本構想の具体化を図りますために、本年六月に外部の専門家を委員長とする基本計画策定委員会を設置し、中央図書館のサービス計画、資料整備計画、情報システム計画、施設計画などについて詳細な検討を行っているところでございます。 また、立地条件につきましても、施設計画の一環として検討を進めているところでございますが、さきの基本構想では、中央図書館の立地についての考え方として、交通の利便性の優れた環境、情報流通の拠点性、都市形成への貢献度などの観点から、都心立地型が望ましいものとしております。中央図書館の整備に当たりましては、機能的に優れた図書館でありますとともに、快適で知的創造性をはぐくむ読書空間の提供や、様々な知的交流を支援できる図書館を目指しまして、計画の推進を図ってまいりたいと存じます。        〔野沢通泰生活福祉部長登壇〕 ◎野沢通泰生活福祉部長 御質問二、彩福祉グループの不正事件についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 まず、石井岱三氏が県の要職についていることは重大な問題であり、新聞報道について事実関係を確認されているのかについてでございますが、石井氏は、本県の老人福祉施設協議会の会長、さらには、全国老人福祉施設協議会の会長を務められておられ、老人福祉関係者のリーダーとして活躍をいただいているところでございます。御指摘の新聞報道の事実関係につきましては、調査いたしておりませんが、御質問になられました同一人が多くの審議会の委員を兼ねることにつきましては、県の附属機関等の管理に関する要綱におきましても、留任期間や委員の重複と一定の制限を置く旨の方針がございますことから、この方針に沿って、今後適正な委嘱を図ってまいりたいと存じます。 次に、彩福祉グループ特別養護老人ホームが、衆議院選挙埼玉六区内やその周辺にあることについて、特別養護老人ホームの適正配置に欠け、なおかつ、福祉を選挙に利用したのではないかについてでございますが、御指摘のとおり、今回、茶谷容疑者が立候補した選挙区に彩福祉グループの施設が三か所整備されておりますが、特別養護老人ホームの整備につきましては、彩の国ゴールドプランに基づき、地域の実情に応じた施設サービスが供給されるよう、その促進に努めておるところでございます。同選挙区のある地域は、比較的待機者の多い県南地域のうちでも、整備の最も遅れております中央圏域でありますことから、これまで積極的な整備を進めてきたところでございまして、今後も引き続き整備の促進が急務な地域でございます。その意味におきましても、施設整備が選挙とは関係ないものと考えております。 今後とも、彩の国ゴールドプランに基づき、適正配置の観点に立った施設整備に努めてまいりたいと存じます。 次に、県からの出向職員である北本市福祉部長が茶谷容疑者と連携して事を進めた節はなかったのかについてでございますが、当時の北本市の福祉部長は、県からの出向職員でございましたが、当該職員は市職員として行動しており、本人に確認いたしましたところ、茶谷容疑者からは一切依頼を受けたことも、便宜を図ったこともなかったとのことでございます。 次に、御質問四、痴呆性高齢者・知的障害者の権利擁護機関の設置についてお答え申し上げます。 まず、埼玉県高齢者総合センター内への権利擁護機関の設置についてでございますが、痴呆性高齢者・知的障害者の意思能力にハンディキャップを負う方々が安心して日常生活を送れるよう、その権利の擁護や権利行使の援助を行う権利擁護機関の設置は緊急の課題と認識しております。このため今年度、学識経験者、福祉関係者などで構成する痴呆性高齢者・知的障害者権利擁護機関検討委員会を設置いたしまして、権利擁護方策について検討を行っております。 検討委員会の検討の中でも高齢者総合センターは、相談機関としての相当の実績があり、ノウハウの蓄積もなされていることから、権利擁護機関と高齢者相談センターとの緊密な連携の必要性について論議がされております。県といたしましては、権利擁護機関については、高齢者総合相談センターの持つ相談機能を生かしながら連携を図りまして、相談者のニーズに十分対応できる体制の整備が図れるよう検討してまいりたいと存じます。 次に、県の福祉事務所に権利擁護の機能を持たせることについてでございますが、検討委員会の検討の中では、身近なところで相談できる窓口の整備は、権利擁護相談の速やかな解決につながりますことから、県において権利擁護の拠点を設置運営することに加え、身近な市町村におきましても、きめ細かな権利擁護方策を実施いたしまして、両者が互い補完しあうことにより、効果的な権利擁護システムが成り立つとの論議がなされております。 県といたしましては、県と市町村との緊密な連携を図りまして、効果的な権利擁護システムの整備を検討する必要があると考えておりますが、その中で県の福祉事務所の役割につきましても、併せて検討してまいりたいと存じます。 次に、御質問七、県民本位の行政についての(二) 乳幼児医療費の窓口払い廃止の前段階としての手続の簡素化についてでございますが、窓口払いの廃止につきましては、御指摘のとおり、多額の財政負担を伴いますほか、健康保険組合が支給しております付加給付の調整の問題などが生じてまいりますなど、制度上の問題も抱えております。また、本年十一月二十七日に医療保険審議会から、医療保険制度の改革について建議書が提出されましたが、国はこの提案を受けまして、医療保険法の改正を予定しておりまして、その影響を受けることも予測されるところでございます。こうした状況を踏まえ、円滑な運営を図るため、御提案いただきました手続の簡素化を含めまして、今後の本県の福祉医療制度について総合的に検討してまいりたいと存じます。        〔坂東眞理子副知事登壇〕 ◎坂東眞理子副知事 御質問二、彩福祉グループの不正事件についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 まず、社会福祉施設建設・運営研究会についてでございますが、新聞報道を見て、直ちに生活福祉部に調査・確認をさせたところ、確かにおっしゃるとおり、この研究会は、茶谷容疑者が財団法人シルバーサービス情報公社に設置を依頼し、公社では本来業務の一環と考え、設置に同意したとのことでございます。 また、設立の説明会を開催するに際しては、茶谷容疑者が業者に参加を呼びかけたとのことでございますが、そのほかの県職員が、入会すれば商売に生かせるなどと勧誘や参加の打診を行った事実はございません。 次に、社会福祉施設建設・運営研究会の参加企業ですが、建設業者としては、御質問にございましたジェイ・ダブリュー・エム、斎藤工業、鉄建建設のほか四社が、また、設計業者では、大栄建築事務所ほか一社が、コンサル業者では、安田火災長寿ライフサポートほか一社が、介護機器メーカーでは、西武百貨店、東京基準寝具ほか六社が、そして、食事サービス業者では、日清医療食品ほか一社が参加しております。 次に、研究会がどんなコンサルティング業務を行ってきたのかについてでございますが、公社に事業の実施状況を確認しましたところ、平成六年度に設立説明会を行ったほか、特別養護老人ホームや老人保健施設の建設と運営の講演などを一回、平成七年度には二回開催したのみでございまして、研究会としてコンサルティング業務は行っておりません。 次に、研究会設置前と設置後で、新規設立施設に対する設計・建設・介護機器販売・給食業務委託業者に偏りが生じていないかについてでございますが、県としては、それぞれの施設の契約業者に関する調査は行っておりませんので、偏りの有無については把握しておりません。 次に、研究会を今後も続けていくのかについてでございますが、知事の午前中の答弁にもありましたとおり、公社の研究会を含め事業全体の見直しをしていくこととしておりますので、その中で廃止を含め検討させていただきたいと存じます。 次に、シルバーサービス情報公社の賛助会員に小山容疑者の個人会社トウセンが入っているが、このまま放置するのかについてでございますが、現在、事件の究明を進めておりますので、その結果を踏まえて、今後、除名を含め必要な措置をとるよう公社を指導してまいりたいと存じます。 次に、公社に多額の会費を要する賛助会員を百九社も募る必要があるのかについてでございますが、公社の設立趣旨が、シルバーサービスの振興を図る、民間企業の方にシルバーサービスを担ってもらうというところにありますので、多くの民間企業に賛助会員として参画をしていただいているところでございます。 次に、賛助会員は具体的にどういう活動をしているのかについてでございますが、シルバーサービスの振興を図る目的で、金融、損保、旅行など業種別部会を開催し、シルバーサービスの開発、普及を図っているとのことでございます。 次に、賛助会員について見直す予定はあるのかについてでございますが、公社の組織全体の見直しを行うことといたしておりますので、その中で、賛助会員の在り方や資格などについて検討するよう公社を指導してまいりたいと存じます。        〔島野實郎環境部長登壇〕 ◎島野實郎環境部長 御質問五、特定フロンの回収に関する条例の制定についてお答えを申し上げます。 フロンにつきましては、御指摘にございましたとおり、オゾン層を破壊し、人体への影響や植物の成長に多大な影響を及ぼすなどの懸念が持たれておりますことから、早期の回収が求められております。 県といたしましては、これまで市町村等の廃家電製品からのフロン回収を中心に推進してきたところでございますが、今後、更に回収を徹底するためには、現在使用されておりますすべてのフロンを対象にした回収から輸送、管理、破壊までの一貫した処理システムの確立が必要と考えております。そのため事業者、消費者、行政が一体となってフロンを回収し、回収したフロンの的確な処理を推進するフロン回収・処理システムの検討のため、家庭電化製品販売店、自動車販売事業者、冷凍設備事業者などと協議を進めているところでございます。 条例を制定することにつきましては、このフロン回収・処理システム整備に併せまして検討してまいりたいと考えております。        〔江田元之労働部長登壇〕 ◎江田元之労働部長 御質問六、技能五輪全国大会の本県開催についてお答えを申し上げます。 技能五輪全国大会は、各都道府県で選抜された二十一歳以下の精鋭が、旋盤、建築大工、洋裁など、約三十職種にわたり、国際大会への出場を目指して技を競う大変意義のある技能の競技大会でございます。技能五輪全国大会を本県で開催いたしますことは、青年技能者に努力目標を与えるとともに広く県民に技能の大切さ、すばらしさをアピールでき、技能者の育成や本県産業の振興にも大きく寄与するものと考えております。 去る二月定例会での井上正則議員の御提案もございまして、競技会場などについて検討を重ねてまいりました。その結果、さいたま新都心に建設予定のさいたまアリーナ(仮称)をメイン会場として、平成十二年度の大会を本県で開催できますよう、過日、知事自ら先頭に立って、労働大臣をはじめとする労働省や主催者である中央職業能力開発協会に対しましてお願いするなど、現在、精力的に誘致活動を展開しているところでございます。今後とも、誘致に向け全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。        〔三澤邁策住宅都市部長登壇〕 ◎三澤邁策住宅都市部長 御質問七、県民本位の行政についての(一) 県営住宅の入居手続についてお答えを申し上げます。 現在、県営住宅に入居する際には、家賃収入の確保をはじめ、県営住宅を適切に管理するために連帯保証人が二人以上連署する請書を提出していただいておりますが、御指摘のように、入居希望者の中には、特別の事情により連帯保証人がどうしても立てられないというお話もございます。このような状況を踏まえまして、一点目の連帯保証人につきましては、人数を一人といたしますことや、真にやむを得ない理由から連帯保証人が立てられない場合の特例的な措置など、現在の連帯保証人に関する入居手続要件を緩和する方向で現在検討しているところでございます。 なお、連帯保証人の所得を証明する書類の提出につきましては、家賃の支払いなど債務の履行について、保証能力を確認するために必要としているものでございますので、これを不要とすることは困難と考えております。 二点目の、連帯保証人を立てられない人のために保証金制度を設けることにつきましては、保証を引き受ける機関や保証料などの問題がございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。 今後とも、県民の立場にたって県営住宅の適切な管理に努めてまいりたいと存じます。        〔川田哲也県民部長登壇〕 ◎川田哲也県民部長 御質問七、県民本位の行政についての(三) 県民情報誌の発刊についてお答えを申し上げます。 まず、県の各部局で発行している一般県民向け刊行物を、県民の基本情報の共有という観点から、さいたま彩の国だよりと教育広報紙を中心に、必要最小限に統廃合すべきとの御提言についてでございますが、県では、効率的で効果的な広報活動の展開を図りますため、広報刊行物作成の指針となる広報刊行物作成ガイドラインを平成六年度に作成し、このガイドラインに基づき刊行物の統廃合や媒体の検討、配布部数、配布方法などにつきまして全庁的に自己点検を実施、効率的で効果的な広報刊行物の作成に努めてきたところでございます。 この結果、一般県民を対象といたしましたチラシやリーフレット等を含む広報刊行物につきましては、平成七年度の四百四十六件でありましたものが、平成八年度では三百四十七件となっております。これに伴いまして、さいたま彩の国だよりにつきましても、情報掲載量の拡充を図りますため、紙面を従来の十二ページから十六ページに増やしまして、県政情報の提供の拡大を図ったところでございます。 また、教育広報紙につきましても、平成八年十二月の創刊を機会に、教育関係広報の整理統合を図る予定と伺っております。 今後におきましても、全庁的に刊行物の自己点検を徹底いたしますとともに、県民の県政情報に対するニーズに的確にこたえるため、無駄のない合理的な刊行物の作成と統廃合に努めてまいりたいと存じます 次に、県民ニーズを踏まえた情報誌の発行につきましては、近年、生活スタイルや価値観の多様化が進む中で、地域情報や生活関連情報など県民生活に密着した情報に対するニーズが高まっております。今年度、試行的に実施をいたしました通勤・通学者向け広報事業におきまして、地域情報や生活情報を中心としたミニコミ紙を発行いたしましたところ、大きな反響を得たところでございます。その意味で情報誌の発行にかかる御提言の内容は、時宜を得たものと理解をいたしております。 今後、県民ニーズや時代の変化等を十分考慮し、その発行手法も含め検討してまいりたいと存じます。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問七、県民本位の行政についての(四) 国有水路敷の使用許可についてお答え申し上げます。 国有水路敷の使用許可は、御指摘のとおり、県民に一番身近な市町村が取り扱うのが望ましいと考えております。このため、まず、国有水路敷のうち、市町村道の区域に含めることが可能な箇所については道路区域に指定するよう指導しております。その他の場合は、まず、市町村が適正な維持管理を図るために、普通河川に係る管理条例を制定するよう、これまでも指導してきたところでありますが、今後、更に積極的な指導に努めてまいります。 次に、使用許可の更新手続の簡素化につきましては、更新手続に市町村長の意見書や利害関係人の同意書等の添付が最小限必要でございますので、御提案の方法までの簡素化は困難であると考えますが、郵送受付等、申請者の負担が少なくなるような方法により、今後とも、手続の簡素化を進めてまいりたいと存じます。 次に、御質問九、地元問題についての(二) 治水橋付近の自転車・歩行者道付替えについてでございますが、お話の区間につきましては、堤防上の車道に併設することについて、平成七年度から河川管理者であります建設省と協議を進めております。今後は建設省と具体的な協議内容を詰めていくとともに、測量等の調査を実施してまいりたいと存じます。        〔梅村馨企画財政部長登壇〕 ◎梅村馨企画財政部長 御質問九、地元問題についての(一) 大宮駅への地下鉄延伸についてお答えを申し上げます。 現在工事中の地下鉄七号線につきましては、昭和六十年の運輸政策審議会答申に基づき、平成十二年の開業を目指して、浦和市大門まで鋭意建設が進められているところでございます。地下鉄七号線の延伸につきましては、県といたしましても、沿線地域の一層の発展や交通不便地域の解消にとりまして大変重要であると認識しております。現在、次期運輸政策審議会答申に向けて実施しております新線調査におきまして、将来の需要の動向や収支採算性、導入空間の確保の見込みなどの検討を進めるとともに、関係自治体の意向も踏まえ、具体的なルートや整備方策等について検討を進めてまいりたいと考えております。 また、地下鉄六号線の延伸につきましては、沿線開発計画の動向や地元自治体の意向も十分勘案しながら検討を行ってまいりたいと存じます。        〔十二番 畠山清彦議員登壇〕 ◆十二番(畠山清彦議員) 再質問させていただきます。 教育立県・埼玉を目指しての三番目、校長の責任感の向上と権限の発揮についてだけ質問いたします。 日ごろから教育立県を目指して努力をされている教育長の答弁には大変似つかわしくない、似合わないお答えを先ほどしていただきました。教育長は先ほど、校長が替われば学校は変わるとお話をされましたけれども、大変気になる言葉でございます。校長が替わっても、学校はそのまま良くならなければいけない、校長が替わって学校が悪くなる、そういうふうな受け止め方ができるような概念で教育局が日ごろ取り組んでおられるとすれば、大変な問題だというふうに私は思っております。 残念ながら、ちまたでは、担任が替わることによって、今回はいい先生に当たったとか、悪い先生に当たったとか、そういう言い方が両親の間でよく出てまいります。テレビやラジオじゃあるまいし、先生が当たったとかはずれたとか、そういうことを父母の方に言わせるような教育であってはならない、私はそういうふうに考えたわけでありまして、だからこそ、校長の責任感をもっと向上させるためのしっかりとした研修会をやっていただきたいと、そのように提案をしているわけでございます。 その後、今の校長会は残念ながら、教育長が中心に教育長から指導をするというかたちの校長会になっているようでありますが、お互いにその学校のいいところを持ち寄って、このようなかたちで実践をしたら、こうなったというものをですね、お互いに発表しあい、そして謙虚にそれを受け止め、自身の学校でも努力をするというような、お互いに啓発ができる研修会を定例的に行うべきだということを提案しているわけでございます。その一点だけ再度質問いたします。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 再質問にお答えを申し上げます。 私の発言の仕方につきまして、いささか弁明をさせていただきたいと存じます。 校長が替われば学校が変わるというのは、実は、困難な学校経営の中で、校長の責任感、決断、努力によって、学校が見違えるようになった例を出して、校長の存在が学校経営にとってそれほど決定的な意味合いがあるということから、校長の責任と自覚を促す言葉として、ひところ教育界で、いわばはやりのように言われた言葉でございますので、実は、そういう趣旨で申し上げたわけでございます。 それほど大きな校長の責任感、それの向上と権限の発揮につきまして、先生御提言の趣旨に沿って、今後とも鋭意努力してまいりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。          ---------------- △休憩の宣告 ○福田実副議長 暫時、休憩いたします。午後二時二十分休憩          ----------------午後三時六分再開  出席議員   八十六名   二番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十四番  十五番  十六番   十七番  十八番  十九番  二十番   二十一番 二十二番 二十三番 二十四番   二十五番 二十六番 二十八番 二十九番   三十番  三十二番 三十三番 三十四番   三十五番 三十六番 三十七番 三十八番   三十九番 四十番  四十一番 四十二番   四十三番 四十四番 四十六番 四十七番   四十八番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十五番 五十六番   五十七番 五十八番 五十九番 六十番   六十一番 六十二番 六十三番 六十四番   六十五番 六十六番 六十八番 六十九番   七十番  七十一番 七十二番 七十三番   七十四番 七十五番 七十六番 七十七番   七十八番 七十九番 八十番  八十一番   八十二番 八十三番 八十四番 八十五番   八十六番 八十七番 八十八番 八十九番   九十番  九十一番 九十二番 九十三番   九十四番 九十五番  欠席議員   五名   二十七番 三十一番 四十五番 四十九番   六十七番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(中川) 副知事(坂東)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○浅古登議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続行) ○浅古登議長 質疑質問を続行いたします。 二十四番 吉田弘議員        〔二十四番 吉田弘議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十四番(吉田弘議員) 二十四番、自由民主党与野市選出の吉田弘でございます。 議長のお許しをいただきましたので、通告の順に従い順次質問してまいりますので、どうぞ、心地よい明快なる御答弁をお願い申し上げます。 土屋知事におかれましては、このたび、全国知事会会長に就任され、誠におめでとうございます。あとは、土屋知事の合言葉である「埼玉を日本一のふるさとに」が現実のものとなり、まさに名実とともに日本一の知事になられますよう大いなる期待を抱くのでございます。そんな期待に思いをはせながら質問に入らせていただきます。 まず、再び政令指定問題についてお伺いをいたします。 埼玉大学教授菊地英雄先生は、こんなことを言っておられます。さいたま新都心に加え、政令指定都市化の機運が高まってきた。これまでは東京に押され続けていたが、ようやく自分たちのへそが出来上がり、独自の都市圏が形成される。今は、埼玉都民が埼玉人になれるかという過渡期なんだと言っております。 また、土屋知事も昨年の十二月議会で、政令市の実現には関心を十分持っており、全国でも四十二市、現在はその後吉川市が誕生し四十三市となりましたが、これほど多くの市がありながら、へそなる政令指定都市がないのは埼玉だけである、早期実現を心から期待すると答弁されておられます。 また、先ごろ朝日新聞が行った県内の衆議院議員十九人に対するアンケートの中でも、十三人が政令指定都市は必要と答えているという興味ある結果が出ております。このように、今、さいたま新都心の建設を契機に、また、これをよりどころに、是非、埼玉にも政令指定都市をとの声がほうはいとわき上がってきているのであります。しかしながら、御承知のとおり、いまだ枠組みの問題で、三市先行を目指す浦和、与野と、四市一町同時合併を主張する大宮の綱引きが激しさを増し、ここのところ、与野市の懸命の調整もままならず、まさに暗礁に乗り上げた感じでございます。 関係自治体の中には、果たして政令指定都市は実現するのかと心配する声も聞かれております。私も、今後更に強まる地方分権の動きはもちろんのこと、三市にまたがる新都心という大プロジェクトの完成までに合併しなければ、いろいろの意味で不都合のことが起きてくると思うのです。そういった意味で、この問題が、相撲ではありませんが、まさに待ったなしの時期に来ていると思うのです。中川副知事も、ある講演会で、さいたま新都心の機能が始動する時期を考えれば、スケジュールの時間的な余裕はない、あと三、四年しかない新都心の完成に合わせるのでなけれは、タイミングを失ってしまうのではないか、そう考えると非常にきついスケジュールだと述べておられます。 そこで、最近、しきりに聞こえてくるのが、そろそろ知事に、もし知事が御無理ならば、副知事に調整役をお願いできないかという声であります。もちろん、知事も副知事も立場から言っても、また、合併の本質から言っても、枠組みをこうしろ、ああしろとかいうのは難しいことは承知をしております。ただ、今の状況の打開を図り、スムーズな実現に向けて検討が進むように、例えば、埼玉中枢都市圏首長会議のような機会をとらえ、調整役をお願いしたいのであります。 政令指定都市に詳しい中央大学の佐々木信男教授は、朝日新聞のコメントの中で、三市の協議が難航しているが、二〇〇〇年をゴールとするなら、そんな悠長な時間はない。そこで、県の将来のために、知事が責任を持って調整に乗り出すことが必要だと述べておられます。土屋知事の忌たんのない御意見を賜りたいと思います。 次に、特別養護老人ホームにまつわる不祥事についてお伺いをいたします。 この問題は、今までそれぞれの議員より、それぞれの角度から質問があり、おおむね了といたしますが、県民の素朴な疑問点を二、三、坂東副知事にお伺いをいたします。 この問題は、今や、国や県を挙げて福祉の充実に取り組んでいる矢先、その福祉を食い物にするという極めて悪質な許しがたい事件であることは、今更申し上げるまでもありません。と同時に、先日あるテレビで、ニュースキャスターが知ってか知らぬか、「あやの国さいたま」と言っておりました。土屋知事がこの彩り豊かな埼玉を全国にPRして、彩の国さいたまの愛称のもとに懸命にイメジーアップを図ってきただけに、誠にもってあやの付いた事件でございます。 さらに、高齢者社会の到来に向けて、我が埼玉県は福祉関連予算の著しい増加を見ても分かるように、土屋知事を先頭に福祉施策の充実に努めてきたと信じていただけに、県民は大きなショックを受けているのであります。そして、県民の悩みや苦労をよく理解し、公正の精神で弱者を思いやる切札として副知事に登用されたのが本県の女性副知事第一号で、県民福祉を担当することになった坂東副知事ではなかったでしょうか。 今回の事件は、茶谷容疑者個人の事件のように思われがちですが、課長一人の犯罪として片付けてもよいものでしょうか。なぜ、一課長の犯罪を組織として防止することができなかったのでしょうか。なぜ、チェック機能が働かなかったのでしょうか。ひと握りの人間の行動を監督できなかった上司の責任をどのように受け止めておられるのか、坂東副知事の御意見を伺いたいと思います。 次に、大規模災害時の医療体制についてお伺いをいたします。 阪神・淡路大震災から、はや三年が過ぎようとしております。被災地では、いまだ仮設住宅住まいを余儀なくされておられる方々を思うと、その爪跡がいかに深かったか思い知らされる感じでございます。また、最近では、県東北部を震源とする地震をはじめ、関東だけでなく、全国的に地震が頻発しており、いつ大きな地震がくるのか心配されるところでございます。 こうした中で、県では、大規模災害時の救急医療の中心的な役割を果たすべく災害拠点病院の指定を行うと聞いております。この災害拠点病院は、核となる基幹災害医療センターと地域災害医療センターとからなり、このうち、地域災害医療センターは、運営面では、傷病者の受入れ及び搬出に対する二十四時間の緊急対応、ヘリコプターによる傷病者や医療物資等の搬送、医療救護班の派遣等、それぞれが可能であることが国の要件であります。また、施設整備面では、通常時の二倍の入院患者、五倍の外来患者に対応が可能なスペースや、簡易ベットなどの備蓄スペースの確保、敷地内のヘリポート、施設の耐震構造やライフラインの維持機能などの要件が定められていると聞いております。さらに、基幹災害医療センターについては、災害医療の研修機能が要件に追加されると聞いております。 このような施設の早急なる整備は、災害から県民の尊い命を守る責務を果たすべき行政にまさに求められているものであります。しかし、災害は忘れたころにやってくるものでございます。指定をしたからには十分なシミュレーションを行い、即応体制にぬかりのないことを願うものであります。 そこでお伺いいたしますが、指定した次の段階として、これらのセンターの有機的なつながりを持たせるため、どのような施策に取り組まれ、いつごろをめどに機能を発揮できる状態に持っていかれるのか、さらに、他都県の災害医療センターとの関係を図ることも大規模災害時には必要であると考えますが、どのようにお考えなのか、衛生部長にお伺いをいたします。 次に、子育て支援策についてお伺いいたします。 先般、一部の新聞報道によりますと、厚生省は、エンゼルプランについての一九九九年度末の目標達成を断念したとのことでありました。このエンゼルプランは、国が一九九四年度に策定、一九九五年度から一九九九年度を緊急保育対策等五か年事業の計画期間として、保育所の整備などで助成しながら子育てを支援し、少子化に歯止めをかけるねらいで計画されたものでございますが、策定からわずか二年目にして挫折したとの報道がありました。実際、延長保育やゼロから二歳児保育の受入れ、放課後児童クラブ設置については進みました。しかしながら、一時保育や乳幼児健康支援デイサービス事業などについては、必要な人材が確保できない保育所が多かったことや、地方自治体の財政悪化から、当初の予定どおりの事業に見合う財源措置ができない市町村が多いことから、達成が難しくなっているのであります。 さらに、この五か年事業で保育内容を拡充する保育所は、厚生省の認可基準を満たした市町村又は委託を受けた社会福祉法人が運営する認可保育所に限られるなどの制限もあることも要因の一つと考えられます。このため、早ければ、来年の夏には目標を下方修正した新計画をまとめざるを得なくなると同時に、官主導から児童福祉法の抜本的改正を行い、規制緩和による民間の新規参入を促す方向に転換を図ろうとしているのであります。 さて、本県の人口は、とうとう六百八十万人を超えました。人口規模で見れば、押しも押されぬ大県になったわけでありますが、今の活力をより一層強め、彩り豊かな彩の国づくりを進めるためには、より多くの若い力が必要であります。それには、だれもが安心して子供を産み、すこやかに育てられる環境づくりが基本であり、そういったことから、今年の三月、彩の国エンゼルプランが策定されたものと私は認識しております。 そこでお伺いしたいのでありますが、この計画の中にも幾つかの数値目標が定められているようでありますが、果たして計画どおりに達成できるのか、達成できないとすれば、国と同じように計画を縮小するだけでよいのか、計画の推進体制の中に民間との連携とありますが、具体策は見えないのですが、どのようなことを考えておられるのか、生活福祉部長にお伺いをいたします。 また、九月議会におきまして提案された小中学校の空き教室や利用頻度の落ちた公共施設の福祉施設への転用を促進する、いわゆるシルバーアンドエンゼルハーモニープランの対象に、この彩の国エンゼルプランに策定された事業を助成対象としてはどうかと思うのですがいかがなものか、併せてお聞きいたします。 次に、教育問題についてお伺いをいたします。 まず、(一)として、日本人としての自覚が持てる教育についてお伺いをいたします。 臨時教育審議会、教育課程審議会の答申を踏まえて改訂された現行の学習指導要領における道徳教育の改善点の最大のポイントは、生命のあるものすべてをかけがえのないものとして尊重し、大切にする心を育てるとともに、国際社会における役割と責任を自覚し、積極的に世界に貢献できる日本人を育成するという観点から、生命に対する畏敬の念と主体性のある日本人の育成を重視した点にあるのであります。しかし、この改善点が今の実際の道徳の授業では十分に深められ、実践化されているとは言えないと思うのです。それは、道徳の目標として掲げている国際社会に貢献できる主体性のある日本人とは一体どのような日本人なのか、そのような日本人を育成するための道徳教育の基礎となるものは何か、ということについての教師の理解が十分深められていないからではないでしょうか。 文部省が平成五年度十年ぶりに実施した道徳教育の推進状況に関する全国調査では、愛国心や国際理解、文化・伝統の尊重などは、年間計画に位置付けられているにもかかわらず、重点項目として指導されていない実態が浮き彫りになりました。 ちなみに、重点を置いて指導した項目は、思いやりや公徳心などであり、特に愛国心に重点をおいて指導した学校は、学年別では、小学校中学年で約一パーセント、中学校一年で約一パーセント、中学校二年で約二パーセントと極めて低いのであります。しかし、私は、道徳の目標として掲げている国際社会に貢献できる主体性のある日本人と、日本人としての自覚を持って国を愛する開かれた愛国心とは、まさに表裏一体の関係にあると思うのであります。なぜなら、日本人としての自覚を持って国を愛することは、実は日本人としての世界の平和と人類の幸福にどのように貢献したらよいかを考えることでもあると思うからです。また、郷土を愛し、日本の国土や優れた文化、伝統を大切にすることでもあると思うからです。そして、国民としての責任を自覚して、国家の発展に尽くそうとすることでもあると思うからです。 ところが、道徳の時間からこの愛国心のテーマはできるだけ避けられ、軽視されているのが現状でございます。これは一つには、戦争中の記憶から、愛国心と軍国主義、戦争を短絡的に結び付ける傾向が、まだ教育界に残っているのかもしれません。しかし、真の愛国心とは、自国エゴイズムに凝り固まった偏狭的なかつての愛国心とは違うのであります。しかも、愛国心は放置しておいて自然に心情の中に育つとは限らないと思うのであります。健全に育つように積極的に指導することが必要でございます。そして、愛国心は他の教育活動の時間では扱いにくい点もあり、道徳の時間でこそ、愛国心をじっくり指導すべきであると考えます。 そこで、低学年の児童にとっては、国家は極めて抽象的な存在ですから、身近にこれを象徴する国旗や国歌を大切にする習慣を付けることが有効でしょう。中学年においては、郷土を愛した人々の事例や日本国土や優れた文化や伝統を大切にした人々の具体的な業績を紹介し、そうしたことの大切さを実感させる必要もありましょう。高学年になれば、今日の国家が他の諸国家との平和的な共存なしには存立できない理由を理解させ、世界の平和は日本人が平和の実践者として、国際社会において世界より尊敬される国に発展させるかさせないかにかかっていることを認識させる必要もありましょう。 日本人が日本人の自覚を持って国を愛し、国家発展に尽くすことが世界の平和と人類の幸福につながることを教える必要がありましょう。それがひいては、国際社会に貢献できる主体性のある日本人を育成することにつながると思うのであります。 そこでお伺いいたします。教育長は現況をどのように認識されておられるのか、本県での道徳教育、わけても愛国心教育の実情はどうなのか、また、今後この問題にどのように対応されるのか、お聞かせいただきたいと思います。 (二)といたしまして、中・高校生たちの部活動、スポーツの在り方についてお聞きをいたします。 先ごろ、文部省が一九九五年度の体力・運動能力調査の結果を発表いたしました。これによりますと、十代の子供の運動能力や体力を示す数値がすべての年齢で十年前の同年齢の子供の記録を下回っていて、小学校低学年、中学校においては、走る、飛ぶ、投げるといった基礎的な運動能力が軒並み最低を記録しています。活発な部活動の陰で体力や運動能力の低下傾向は一向に歯止めがかかっていないのが現実でございます。 都市化が進み緑が減り、原っぱで裸足で泥まみれになって遊ぶ子供たちがめっきり見られなくなってから、もう随分たちます。中央教育審議会でも、子供たちに生きる力とゆとりをと提言をしましたが、子供たちから遊びやゆとりを奪い、子供たちをひ弱にさせている現代の社会構造にメスを入れない限り、お題目に終わってしまうかもしれません。都市化、核家族化、少子化の傾向は今後とも大きく変わらないでしょう。子供たちのひ弱さがこうした社会環境の変化によることが大きなことは確かですが、家庭で、地域社会で、学校でできることもまだ多いはずであります。 その一方で、また、部活動についても、多くの問題があるのも事実でございます。それを裏付けるものとして、やはり文部省がまとめた中・高校生のスポーツ活動調査であります。これによりますと、中学、高校の運動部員の七割以上が週に六日以上も部活動に参加し、週五日制で休みであるべき土曜日も休むことができないなど、まさに部活動づけの実態が明らかにされています。また、一日当たりの活動時間も、中学、高校とも五割強が二、三時間と答えています。さらに、この調査では明らかにされていませんが、朝練を加え勉強する時間までを考えますと、生活時間のバランスを保つことができるのか疑問に思います。事実、部活の悩みとして、疲れがたまる、休日が少ない、遊んだり勉強する時間がないなどを上位に挙げています。けがやスポーツ障害の原因について、スポーツドクターに言わせれば、長時間の練習、非科学的なトレーニング、勝利至上主義が問題として指摘されています。ある整形外科の先生に聞きますと、体は年齢により異なり、高校生までの発育期は骨の成長で筋肉や腱がいつも引っ張られていて、過度の練習で壊れやすいものだと言っております。もちろん、練習自体は大事なことですが、スポーツ本来の意味としての遊びや楽しみの要素はないがしろにされ、型にはめようとする精神主義があるとしたら、早急に改めるべきと考えます。 こうした状況から見て、教育長にお伺いしたいのですが、危機的な子供たちの基礎体力の向上に向け、早急なる具体策を取るべきと考えますが、どのように取り組まれるのか、また、部活動やスポーツのあるべき姿とはどのように考えるべきで、現況をどのように認識され、県としてどのような対策を取られるのか、お聞きをいたします。 次に、これからの公共交通の在り方について、特に、さいたま新都心地域へのLRTの導入についてお伺いをいたします。 さいたま百年の大計でありますさいたま新都心の整備が、平成十一年度の街びらきを目指し、建設の槌音が多く聞こえております。そこで、この新都心地域へのアクセスについてよく考えてみますと、南北方向については、JR高崎、宇都宮、京浜東北、そして埼京線の四線と恵まれているのですが、東西を結ぶ交通機関としては、JR川越線、東武野田線と弱いものがあります。かといって、バス網についても、新都心の街びらきに併せてそれなりに敷設されるとは思いますが、一般車両の流入により慢性の渋滞が発生し、騒音、排気ガスなど公害問題が発生するだけでなく、周辺住民の生活道路まで占領されることも考えられ、地域の活性化と裏腹に多くの問題点が内在しているのであります。 そこで提案したいのは、ライト・レール・トランジット、スーパー市電、いわゆる新タイプの路面電車の導入であります。他の公共交通機関に比べ建設コストが格段に安く、騒音、振動も少ない、車両も床が低いため、高齢者や障害者も利用しやすい、さらに、自動車のような排気ガスも出ないなどメリットが実に多いのであります。混雑度は一を超えると混雑状態を示すのですが、路面電車と一般車両二車線の場合には〇・七であるのに、鉄道敷を一般車線にし、三車線とした場合は一・三と上昇し、かえって渋滞するというデータが出ています。 そこで建設省では、運輸省とも調整しながら、来年度の重点施策に盛り込み、路面電車復活に向けて、地方自治体への財政面の支援などを行なおうとしております。札幌市では、建設省の動きに早速呼応するかたちで市電の路線を延長し、都心を環状に結ぶ路線にするため、具体的な検討を始めたと聞いております。 また、世界的にも、一度路面電車を廃止したロサンゼルスでも一部復活し、ハンブルグでも検討を始めております。世界的に大気汚染や地球温暖化などについては、自動車の通行量そのものも減らさなくてはならず、そういった観点からも、世界各国でスポットライトが当てられているのです。 県政運営の基本理念、「環境優先・生活重視」の観点からも、高齢化社会への対策の一環としてのバリアフリー社会の構築の観点からも非常に有効な策であると考えます。 今年八月の二十三日の朝日新聞に、河合交通政策課長も、建設費は地下鉄の数十分の一、速度も東京の営団地下鉄並み、積極的に考えてもいいのではというコメントを寄せておられます。 そこでまず、二十一世紀の埼玉の顔である、さいたま新都心地域にテストケースとして導入してみてはどうかと思うのですが、いかがなものでしょうか、企画財政部長にお伺いをいたします。 もちろん、バス事業者を締め出すというものではありません。事業化にバス事業者も参入していただくことで問題はないと思いますので、明快なる御答弁を期待いたします。 次に、環境空間と緑の回廊構想についてお伺いをいたします。 埼京線、新幹線の両側に幅員二十メートルが確保された環境空間は、御承知のとおり、東北上越新幹線の高架式による建設に当たって、当時の国鉄との話合いの中で、地域の環境を保全するために確保された貴重な緩衝地帯でございます。この環境空間につきましては、県と戸田市、浦和市、そして与野市で組織されました環境空間整備連絡会議において、連続的な緑地帯、周辺市街地との調和した整備とした基本構想、整備計画を策定し、環境空間の整備促進に向け検討がされているところでございます。しかし、駅周辺におきましては、環境空間整備が進められておりますが、駅間につきましては、境界に枕木が立ち並び草が生い茂り、空き缶をはじめとしたごみ等の投げ捨てにより、都市景観や衛生面からも問題があるまま放置されております。 こうした中で、県では昨年度において、県内の緑のネットワークを形成する緑の回廊ともいうべき考え方のもと、パンフレットを作成いたしました。これを見ますと、新幹線の環境空間も入っており、聞けば、幹線回廊と位置付けられているとのことであります。この緑の回廊は、自然環境保全、快適環境の創造、レクリエーション利用、さらには防災といった観点からも大変重要なことと考えます。また、新都心の顔の一部でもございます。 そこでお伺いいたしますが、構想を策定され、今後はその実現に向け、事業の進ちょくを県が主体となり進めるべきと考えますが、この部分の緑の回廊としての整備の考え方を、整備方法も含め、住宅都市部長にお聞きいたします。 次に、再び鴻沼川の抜本的改修についてお伺いをいたします。 この問題は、昨年の十二月議会でも取り上げましたが、もはや一刻も猶予できない問題ですので、再度質問をさせていただきます。 先般、二十一世紀の彩の国川づくり大会が鴻沼川の水害で悩む与野市で盛大に開催されましたことに大きな意義を感じると同時に、県の鴻沼川改修への意気込みがひしひしと感じる大会でもございました。そのとき、第九次治水事業五か年計画の策定に向けての資料を読ませていただきましたが、水害への対応だけでなく、川の自然と人との共生、川にやさしい人づくりまで言及しており、幅広い観点から高い見識のもとにまとめられたものと深く敬意を表する次第であります。 さて、鴻沼川の問題でございますが、この川は、今更申し上げるまでもなく、大宮、与野、浦和の県の中枢部を流れる準用河川でありながら、もともと農業用排水路であったこともあり、抜本的な改修も進められず、市民は毎年のように浸水被害に悩まされてきたのであります。 去る九月二十二日の台風十七号による降雨でも、与野市を中心として、床上浸水五百世帯、床下浸水七百四十世帯余りという大きな被害が、またまた発生してしまいました。一部の市民は近くの公民館などに避難し、道路も寸断され、与野市には災害救助法が適用されるという状況になってしまいました。私も浸水のさなか腰までつかり、市民を励ましましたが、流域の皆さんはもううんざりといった顔で私に訴えるのです。 さいたま新都心も結構だろう、政令指定都市もいいだろう、しかし、その前に、行政はこの状態をいつまで放置しておくのか、さいたま新都心もここからわずか六百メートルぐらいのところにできるのではないかというのであります。 このような流域住民の苦悩を見るにつけ、一日も早く鴻沼川の抜本的な改修をしなければと痛感をするのであります。しかも、大雨が集中的に降ったとき、新都心内の雨水を一時貯水しておく四万トンの貯水槽を新都心内に今つくっておりますが、これとて、鴻沼川の水位をみはからって鴻沼川に流していくという、いわば新都心の付帯施設としての役割を担おうとしているのであります。それだけに、早期に一級河川に指定をし、県が事業主体となって改修を進める以外に方法はありません。 昨年十二月定例議会での私の質問に対して、土木部長は、早期の改修を要する河川であることは認識しており、一級河川化のために関係機関などの理解を得ることに努めていく、また、改修計画の策定に当たっては、既存の鴻沼川治水対策推進協議会を発展させたかたちの協議の場が必要と考えるとの答弁をいただきました。その後、鴻沼川改修議員連盟でも、建設省、大蔵省に出向き、早期一級河川実現の陳情にも行き、良い感触を得てきたところでもございます。また、平成九年度国の施策並びに予算編成に対する最重点要望の中でも、鴻沼川の一級河川の指定を国庫補助事業としての採択をお願いしていただいているようでございます。 そこで、現在の協議会の状況と一級河川指定の国庫補助事業対策の見通し、また、改修計画の具体的な事業着手の時期と、今後のスケジュール、さらに、私は改修方法の一つとして調節池を設け、その上に地域住民のための憩いのスペースにしていただけないか、また、鴻沼川沿いに親水公園みたいなのを設け、子供たちの憩いのスペースとしてはどうかと思うのでございます。土木部長に明快なる御答弁を求めるものでございます。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○浅古登議長 二十四番 吉田弘議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 吉田弘議員の私に対する政令指定都市問題についての御質問にお答えを申し上げます前に、吉田議員の御質問に対し、傍聴にお見えになりました大勢の県民の皆様方に、今回の不幸な事件によって大変御迷惑をお掛けいたしましたことを、まずもって深くおわびを申し上げます。 さて、六百八十万の人口を擁する本県にとりまして、核となる政令指定都市が誕生いたしますことは、本県のイメージアップのためにも、また、過度の東京依存の是正や自立性の向上、あるいはまた、経済的発展などの効果が期待できますことから、是非とも必要であると考えておりまして、私といたしましても大いに期待を寄せておるところでございます。 さいたま新都心に十省庁十七機関を本県に移転をさせることで、当時、大変お骨折りをいただきました石原前内閣官房副長官も、埼玉県には四十三の市があって、へそとなる政令指定都市がないことは誠にもって残念だと、平成十二年の新都心の街びらきまでには実現すべきだということを力説をいたしておるようなわけでございます。しかし、本県で政令指定都市を実現いたしますためには、これまでに全国にも例のない複数の四十万都市の合併という難関を越えることが前提条件でございまして、このため、これまで各首長さん方をはじめとする関係の皆様方が極めて熱心に取り組まれていることは、心から敬意を払うものでございます。 お話にもございましたように、合併・政令指定都市の枠組みにつきましては、様々な論議が出されておりますことを十分に認識をいたしておりまして、こうしたことから、県がより積極的にリーダーシップを発揮すべきではないかとの御意見がありますことも承知をいたしておるところでございます。 私といたしましても、できることならば、さきの石原さんの意見と同様に、さいたま新都心の街びらきを念頭に置いた論議が進展いたしますよう念願をしておるところでございますが、三市先行か、四市一町同時かという合併の枠組みにつきましては、主役である地元の皆様方が、後世にも誇れる自分たちの街の将来の姿を描きながら、自主的にかつ主体的に十分な論議を深めてまいりますことが基本的に必要であると考えております。もちろん私といたしましても、ただ座して待っているというわけではなく、二十一世紀に向けた県の将来像について思いをめぐらせますとともに、本県に政令指定都市が誕生した場合を想定いたしまして、県全体に及ぼす影響や地域の整備の在り方などについて調査・研究をするよう指示しているところでもございまして、関係自治体の意思の統一がなされますならば、政令指定都市への移行がスムーズに行われますよう、県としても最大限の支援を惜しまないところでございます。 いずれにいたしましても、合併・政令指定都市の問題につきましては、地域住民の皆様方の間で十分な論議を尽くしていただき、合意形成が図られますことが何よりも重要なことでありますので、私といたしましても、更なる論議の深まりを期待いたしますとともに、今後とも、状況の推移を見守りながら、前向きで必要に応じて誠意ある支援・協力をしてまいりたいと存じます。        〔坂東眞理子副知事登壇〕 ◎坂東眞理子副知事 高齢社会の急速な到来に向けて、県民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、共に支え合う社会の創造を目指しているこのときにこのような事件が発生いたし、県議会の皆様方をはじめ県民の方々に大変な御迷惑をおかけしましたことを心からおわびを申し上げます。 それでは、御質問二、特別養護老人ホームにまつわる不祥事件についてお答えを申し上げます。 まず、上司の責任についてでございますが、このような事態を招いたのは、直接的には一人の課長が責任と権限を乱用したことによりますが、引き起こした結果については、組織全体として責を負うべきだと考えられます。どうして暴走をチェックできなかったか、組織の在り方全体について根本的な見直しが必要であると、私自身の責任も含め深く反省をしております。 今回の事件は、ゴールドプランの推進に対する信頼を傷つけたばかりでなく、福祉の充実を願う県民の皆様方や、日夜、福祉の現場で働く多くの方々の期待と御努力を裏切るものです。信頼を得るためには、長い間をかけて一つひとつ小さな実績を数多く積み上げていかなければなりませんが、一つの不祥事件が起こりますと、それまでの信頼は根こそぎ失われてしまいます。私としましては、この事件の徹底解明と再発を防止し、一刻も早く県政に対する県民の信頼を回復するため、綱紀の粛正の一層の徹底を図るとともに、地道な県政の実績をもう一度ゼロから積み上げてまいるよりほかないと思っておりますので、県議会の皆様の御理解を賜りますようお願いを申し上げます。        〔土居眞衛生部長登壇〕 ◎土居眞衛生部長 御質問三、大規模災害時の医療体制についてお答え申し上げます。 県といたしましては、現在、災害時における医療供給をより迅速かつ適切なものにするために、災害医療体制の整備について検討を行ってきているところでございます。このうち、災害拠点病院につきましては、地域における後方医療機関が担っている災害時医療機能をより一層高める観点から、現在、その指定に向けて関係機関との協議を図っているところでございます。 御指摘のとおり、指定を受けた病院がその機能を十分発揮するためには、各病院の連携が極めて重要でございます。このため、医療機関や消防機関などを結んで救急医療体制の円滑な運営を支援しております現行の救急医療情報システムを大規模災害時においても活用できるようにするなど、総合的な災害医療体制の確立が急務と考えており、今年度からその検討に着手したところでございます。今後、これらの検討結果を踏まえまして、早急に適切な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、他都県の災害拠点病院との連携についてでございますが、大規模災害時における他都県の災害拠点病院などとの連携の必要性については十分認識しております。このため、関東甲信越ブロックの衛生部長会がございますが、こういうところに働きかけまして、現在、広域医療支援体制について協議を行っているところでございます。県といたしましても、今後とも関係機関と連携しつつ、災害時医療が確保されるよう努めてまいりたいと存じます。        〔野沢通泰生活福祉部長登壇〕 ◎野沢通泰生活福祉部長 御質問四、子育て支援対策についてお答えを申し上げます。 彩の国エンゼルプランは、今後の子育てを社会全体で支援するために策定して、その具体策といたしまして、緊急に取り組む保育対策などについて数値目標を示して推進することとしたものでございます。 本県におきましても少子化は進行しておりますが、流入人口も多く、全国的にも若い県でありまして、低年齢児保育や延長保育など保育に対する需要は大きく、市町村でも積極的に取り組んでいただいておるところでございます。しかしながら、計画策定二年目であり、病後児保育や子育て支援総合センターなどの新たな事業につきましては、まだ十分に浸透してない面もございますが、その他の事業につきましては、おおむね達成できるものと考えております。今後におきましても、市町村と連携を図りながら、計画達成のため最大限の努力をしてまいりたいと存じます。 次に、民間との連携についてでございますが、子育て支援は、行政はもとより地域や民間企業など社会全体でその役割を果たすことは大変重要なことと存じます。このため、企業などにおける育児休業の促進、ベビーシッターの派遣、家庭保育室、育児サークルやボランティアの支援など、民間との相互協力や連携を図りまして、計画を推進してまいりたいと存じます。 次に、既存施設有効活用促進事業にエンゼルプランの事業を対象とすることについてでございますが、計画期間内の数値目標達成のため、この事業を適用いたしまして、エンゼルプランの推進に努めてまいりたいと存じます。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問五、教育問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一) 日本人としての自覚が持てる教育についてでございますが、現況の認識につきましては、国際化が進展し、国際間の相互依存関係がますます深まる中で、国際協調が不可欠となっております。そのような国際社会で信頼され活躍できる日本人を育成するためには、子供のころから自国の伝統や文化を尊ぶとともに、異なる国々の習慣や価値観をお互いに尊重しあう態度を育成し、いわば開かれた愛国心を培うことが肝要でございます。しかしながら、平和的な国際社会に貢献できる主体性のある日本人を育成するという道徳教育の目標につきましては、お話のとおり、これまでの歴史的な経緯もございまして、まだ十分成果が得られるまでには至っていない状況でございます。このようなことから、郷土の歴史や文化・伝統を大切にし、ひいては日本という国を愛し、誇りを持つとともに、他国の文化・伝統も尊び、国際社会で信頼される日本人として子供たちをはぐくんでいくことは緊要な課題であると存じます。 次に、本県での道徳教育、愛国心教育の実情についてでございますが、県教育委員会といたしましては、郷土の偉人などを取り上げた道徳教育用郷土資料集を刊行し、各学校での指導・援助に積極的に努めております。 例えば、「パリの渋沢栄一」という資料を用いての道徳授業では、子供たちは、パリの万国博覧会に参加した若き日の渋沢栄一のエピソードをもとにして、自国賛美の狭い心であった栄一が、悩み苦しんだ末、やがて外国のよさを受け入れる姿を通して、世界に開かれた国を愛する心を学びとっております。 次に、対応についてでございますが、県教育委員会といたしましては、今後とも、子供たちの郷土や国を愛する心をはぐくむために、教師の力量を高める研修会を充実するとともに、各学校が道徳授業で用いる資料の開発に努め、道徳授業の充実を図るよう指導援助に努めてまいりたいと存じます。 次に、(二) 中・高校生たちの部活動、スポーツの在り方についてでございますが、ここ数年の子供たちの体力低下を県教育委員会といたしましても、憂慮すべき状況ととらえ、本年三月に県内公立小学校すべての児童に体力の必要性、運動の積極的な実践を促すためのリーフレットを配布し、体力向上に対する児童や保護者の意識の啓発に努めてまいりました。 また、市町村教育委員会及び各学校に体力向上推進委員会の設置をお願いし、体力向上方策を検討するとともに、業前、業間運動、これは始業前とか、あるいは授業の間という意味でございますが、その実施などの具体的な実践に取り組んでいただいております。 さらに、毎年、小・中・高等学校計十六校を体力向上推進校として委嘱し、効果的な指導方法などの研究成果を地域の学校に広め、各学校における授業や体育的活動の充実に努めてきたところでございます。 今後とも、運動好きな子供たちを育てる体育授業の一層の充実はもとより、学校教育活動全体を通じて体力向上を図るよう各学校を指導いたしますとともに、地域のスポーツ活動に子供たちが積極的に参加することが体力向上を図る上で大切なことから、地域の指導者の養成に努め、地域のスポーツ活動の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。 また、部活動やスポーツのあるべき姿についてでございますが、部活動やスポーツは子供たちの自主的・自発的な活動であり、その活動に打ち込むことによって集中力を高め、たくましい体や心を育てるとともに、協調性や社会性を養うことのできる有意義な活動でございます。中学・高校生時代にスポーツに参加し競技する楽しさや喜びを味わいますことは、生涯にわたってスポーツに親しむための基礎を培う上で大切であると認識いたしております。 本県の部活動の現状を見ますと、中学生の約八割、高校生の約五割が部活動に参加し活動しておりますが、御指摘のように、一部には生活時間のバランスを保てないような現状も見られます。県教育委員会といたしましては、各学校が部活動の教育的意義を踏まえ、活動が行き過ぎることがないよう、一週間のうち少なくとも一日は休養日とし、また、休業土曜日については安易に活動を拡大することなく、適正に部活動が行われますよう今後とも指導してまいりたいと存じます。        〔梅村馨企画財政部長登壇〕 ◎梅村馨企画財政部長 御質問六、これからの公共交通の在り方についてお答えを申し上げます。 お話のございました新タイプの路面電車、いわゆるライトレール・トランジットにつきましては、低騒音、低振動で床が低いため、移動制約者にも乗り降りが容易であり、かつ建設費や運営費が比較的低廉で、新しい近距離の都市内交通システムとして近年注目され、欧米でも盛んに導入されているところでございます。このライトレール・トランジットにつきましては、与野市をはじめとする浦和・大宮、三市の研究会におきまして、将来の交通体系の一つとして検討を行っていると伺っているところでございます。 一方、国におきましては、建設省では来年度から街路事業としライトレール・トランジットの整備を支援する予定とのことでもあり、また、運輸省でも技術的な面の研究を行っているところでもございます。 県といたしましては、新都心地域を中心とした交通網の整備は重要なことと認識しており、御指摘のように、環境や交通弱者にやさしい都市内交通として多くの利点を有するライトレール・トランジットも含め、幅広く検討してまいりたいと存じます。        〔三澤邁策住宅都市部長登壇〕 ◎三澤邁策住宅都市部長 御質問七、環境空間と緑の回廊構想についてお答えを申し上げます。 新幹線沿いのいわゆる環境空間につきましては、この空間が確保されました経緯を踏まえまして、県と地元三市で設けました環境空間整備連絡会議で調査・検討を行いまして、基本方針、基本構想及び整備計画を策定いたしましたところでございます。 この計画では、駅間につきましては、基本的に緑道や緑地などとしまして整備を目指しているところでございます。このような基本的な考え方に基づきまして、県と地元三市におきまして、この空間の土地利用計画の早期実現を図るために、土地所有者であるJR東日本と協議の場を設けることといたしました。 今後におきましては、地元住民の意向を踏まえつつ、関係者やJR東日本と連携を取りながら、連続した緑地空間の創出を図り、緑の回廊の形成に努めてまいりたいと存じます。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問八、鴻沼川の抜本的改修についてお答えを申し上げます。 まず、現在の協議会の状況についてでございますが、本年一月に流域三市の市長と県の関係部長で構成する鴻沼川流域総合治水対策協議会を設立いたしました。その後、四回の幹事会を開催する中で、新規開発における調節池設置の指導方針や、校庭貯留等の流出抑制対策について協議を行っております。 次に、一級河川指定と国庫補助事業採択の見通しにつきましては、知事を先頭に国に対して、県の最重点の施策として要望を行っており、鴻沼川についての理解は相当深まっていると認識しているところでございます。 また、着手の時期と今後のスケジュールといたしましては、一級河川に指定されましたら、早々に改修計画を策定し、測量、設計を手始めに、順次、事業に着手してまいりたいと存じております。 なお、御提案の親水性を配慮した改修方法につきましては、必要に応じて流域三市の協力をいただきながら、今後検討してまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、鴻沼川の一級河川化並びに早期の事業化につきまして、引き続き努力を傾注してまいる所存でございます。          ---------------- △次会日程報告 ○浅古登議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十二日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○浅古登議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時散会          ----------------...